八百長が関係してる?同部屋、血縁者同士など大相撲で絶対に組まれない対戦がある理由
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本場所で決して組まれない取組み
大相撲に欠かせないのが、毎日の取組みです。特に終盤戦になると、優勝争いの上位を走る力士同士の取組みが組まれることも増え、大相撲ファンとしては目が離せません。
ところで、大相撲の取組みには「絶対に対戦が組まれることはない組み合わせ」が存在するってご存知ですか?
同部屋対決まず組まれることがないのは、同じ部屋の力士同士の対戦。
1965(昭和40)年初場所までは、同じ部屋だけでなく「時津風一門」「立浪一門」などの同じ一門・系統の力士同士は対戦しないという「一門系統別総当たり制」により、取組みが組まれていました。
しかしこの制度には、実力者の多くいる一門が有利となり不公平が生じるという、大きな問題がありました。
そこでこの問題の解決と、相撲人気の回復を目指して導入されたのが、現行の「部屋別総当たり制」です。
しかし優勝決定戦を行う場合は、同部屋でも対戦する可能性があります。
兄弟・従兄弟など4親等以内の血縁者同士部屋が違っていても、兄弟・従兄弟・叔父と甥などの4親等以内の親族に当たる者同士の場合、本割で取組みは組まれません。他の力士の姉や妹と結婚して「義兄弟」になった場合にも、取組みが組まれることはなくなります。
よく知られた兄弟力士といえば若貴兄弟ですが、彼らは同部屋でしかも兄弟だったため、本割では絶対に取組みが組まれることはありませんでした。
若貴兄弟が唯一対戦したのは、1995(平成7)年11月場所の優勝決定戦です。
現在活躍中の翔猿(追手風部屋)と英乃海(木瀬部屋)も兄弟力士です。彼らは別々の部屋に所属していますが、それでも兄弟の場合は取組みが組まれることはありません。
また過去には、1962(昭和37)年11月場所の12日目に、幕下で後に関脇となる長谷川と四季の花の対戦が組まれていましたが、この2人が「叔父と甥(四季の花の姉は、長谷川の母親)」という関係であることを理由にこの取組がなくなり、それぞれ別の力士との対戦に変更となったこともありました。
なぜこのような制度になったの?大相撲の本場所での取組みは、なぜこのようになったのでしょうか?
実はこれらは「八百長や何らかの打ち合せがあったのでは?」と疑われることを防ぐために定められた制度です。
本場所の千秋楽で、こんな取組みを見たことがありませんか?
「どちらかの力士が、勝ったら勝ち越し、または負けたら負け越し」
こんな時、この2人が同じ部屋や親戚関係だったら、どうでしょう?
実際にはそんなことはなくても、「あの2人は同部屋だから」などと疑いの目で見られるようなこともあるかもしれませんよね?
地方巡業などでは「お好み」と呼ばれる勧進元や観客の要望で組まれる取組みがあり、本場所では決して見ることのできない同部屋対決が見られることもあります。
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