〈目からウロコの健康術〉近年、急増している男性のがん「前立腺がん」で死なない方法とは!? (2/3ページ)
そして重要なのは、効果的な検査方法が普及して、見つかりやすくなったことです」
頴川教授の言うその方法とは、「PSA検査」と呼ばれるもの。PSAとは、前立腺から分泌されるタンパク質の一種であり、採血によってこの成分がどれくらい血液中に含まれているかを調べるのがPSA検査だ。
がんなどによって前立腺に異常が起こると、PSAが血液中に放出されて濃度が上がるため、前立腺がんの疑いがあるかどうかを調べるのに有効だという。
PSA検査は、元は法医学の見地からレイプ事件の検査などに行われていたが、’86年に海外で臨床に応用され、後に日本にも導入された。
頴川教授は、1992年に日本で初めて人間ドックのオプションにPSA検査を組み込んだ、検査普及の一端を担った医師でもある。現在は健康診断や人間ドックのオプションとして、2000円ほど追加料金を払えば受けられる。
診断するためには、MRIや前立腺の組織を調べる生検を行う必要があるが、前段階のスクリーニング方法が普及したことで、発見率が上がったというわけだ。
★早期発見により完治の可能性大
見つけやすくなったというが、前立腺がんを予防する方法はないのだろうか。胃がんについては、発症の主因となるピロリ菌への感染の有無を調べ、感染していれば除菌することで「ほぼ防げる」と、消化器内科医は口をそろえるが、前立腺はどうなのだろう。
「今までに予防医学を目的に様々な大規模研究が行われてきましたが、有効な方法は見つかっていません。そもそも、胃がんを除く多くのがんと同じように原因が解明されていないので、防ぐ方法も分からないのです。多くの病気と同じように、前立腺がんも早期発見が最も重要です」(前出・頴川教授)
頴川教授によれば、前立腺がんは進行すると骨に転移しやすく、骨への転移後は激烈な痛みが出やすい怖い病気だが、転移する前に見つかれば、完治する可能性は非常に高いという。
「私が若手の医師だった30年ほど前は、入院患者さんのおよそ4割に転移が見られましたが、検査方法の普及などによって、現在、東京慈恵会医科大学附属病院でいえばその割合は5、6%にまで減りました。