〈目からウロコの健康術〉近年、急増している男性のがん「前立腺がん」で死なない方法とは!? (1/3ページ)
そもそも、男性特有の前立腺がどんな機能を持つ臓器か詳しく知らない人も少なくないのではないだろうか。前立腺がんの治療を専門にする東京慈恵会医科大学泌尿器科の頴川晋教授はこう話す。
「前立腺は尿がたまる膀胱の下にあり、尿道を取り囲むように位置する臓器です。40歳以上の8割はこの臓器が大きくなる前立腺肥大症に罹ると考えられているため、年齢によって大きさや重さは異なりますが、20歳くらいの若い成人男性の場合だと大きさは栗の実ほど、重さは15グラムほどです。精液を構成する成分の3分の1を作っていることが大きな特徴で、射精された精子が女性の膣の中に留まりやすいよう、つまり、妊娠しやすいよう粘り気のある半固形の状態を保たせているのも、前立腺から分泌される成分なのです」
栗の実ほどの小さな臓器が、実は人間の命をつくるために大切な役割を果たしているわけだが、この前立腺に起こるがんが増えているというのだ。
国立がん研究センターによると、2000年に約2万人だった患者数は、2005年には倍増して4万人を超え、2014年には約7万4000人に到達、男性のがんの罹患数で4位に浮上した。
その後も増え続けており、2016年に施行された「がん登録推進法」に基づき厚生労働省が行った調査によれば、同年における患者数は約9万人で、男性のがんの多さでは2位。2020年以降には胃がんを抜き、男性が罹るがんのトップになると予想されている。
★有効な検査方法普及で患者増加
それでは、なぜ急増しているのか?
頴川教授は、(1)高齢化、(2)食事の欧米化、(3)効果的な検査方法の普及―の3点を理由に挙げる。
「他のがんと同じように、前立腺がんも加齢によって発症リスクが上がります。特に50歳以降に罹りやすくなると考えられており、現在、患者の罹患平均年齢は72歳です。長生きする人が増えることで、患者が増えているのは間違いないでしょう。一方、食事の欧米化の影響は厳密には分かっていませんが、動物性タンパク質の摂り方が変わったこと、つまり、魚を食べる量が減り、赤身の肉を食べる量が増えたことが影響している可能性があると考えられています。