どっきりナイト7に宇多丸さん:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載106 (1/3ページ)

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どっきりナイト7に宇多丸さん:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載106

軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」

106時限目・どっきりナイト7に宇多丸さん

 松山市の中心部にある古いお菓子屋さんが一昨日、七月いっぱいで店じまいをした。

 六十年以上、営業していた。昭和三十年代の前半から。俺が生まれる前からだ。俺はものごころついた頃、その近くに住んでいて生まれて初めてのお菓子屋さん体験がその店だった。小学校にあがる頃にはもう引っ越していたので記憶もほとんどないといえばないがそれでもわずかな断片的な景色の記憶はあるから人間の脳という置き場もそうとうに優秀だ。そこがやはり俺は俺である所以で、君は君である所以で、彼女は彼女である所以だろう。

 俺がかつて好きだった彼女も、彼女でしかなく、俺はその彼女のなにを理解してなにを愛していたのだろう。まったく足りていなかった気がする。これから誰かを愛するときはすべてを包むように抱きしめたい。そんなふうに思う。

 そう考えると犯罪行為、明確な加害意識で誰かの命を奪う、誰かの人生を傷つける行為のおそろしさ、傲慢さ、ふてぶてしさ、腹立たしさといったら。なにもかもを一瞬にして奪ってしまう権利がどこにあるというのか。

 未来も無限であるが過去もまた無限である。そのそれぞれの無限を奪う権利が誰にあるというのか。

 世の中は変わっていく。

 大昔、人間はすべて全員、服も着ていなかったのである。

 というか、地球上に人類がいない時もあったのである。

 恐竜がいたのである。

 その恐竜もいなかった時代があるのである。

 そこまで遡らなくても、テレビもラジオもなかった時代もあるのである。

 電話も車もついこのあいだまでなかったのである。

 飛行機も汽車もなかったのである。

 自転車もなく、二百年ぐらい前まで人間はどこに行くのも徒歩だったのである。

 船はあったのである。

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