『監察医 朝顔』上野樹里で「月9ドラマの完全復活」なるか

日刊大衆

『監察医 朝顔』上野樹里で「月9ドラマの完全復活」なるか

 ここ最近、ドラマ界に異変が起きている。フジテレビの月曜9時枠が息を吹き返しているのだ。上野樹里(33)主演の『監察医 朝顔』は7月29日に放送された第3話の視聴率が12.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区/以下同)と、3話連続で12%を越えて好調をキープ。いったい何が起こっているのか? まずは第3話の内容を振り返ってみよう。

 恋人で刑事の桑原(風間俊介/36)からプロポーズされた朝顔(上野樹里)は、父の平(時任三郎/61)にこのことを告げる。だが、平は桑原が自分の部下であることから、厳しい態度をとる。その後、火災の現場で4人の遺体が発見されるという事件が発生。桑原と平はこの捜査にあたり、法医学者の朝顔たちが遺体の身元を調べることになり……という展開だった。

 1年半前、誰がこのような状況を想像していただろう。2018年1月期の月9『海月姫』は平均で6.1%と同枠の最低視聴率を記録。これを筆頭に、ここ数年の月9枠は、『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』以外、低視聴率が続いていた。それが、『監察医 朝顔』は12〜13%と、『海月姫』と比べると倍の視聴率を稼いでいる。

 この『監察医 朝顔』の成功は、偶然ではない。ここでは2つの理由をあげてみよう。1つ目の理由はズバリ、“月9ドラマの方向転換”だ。月9は長いこと木村拓也(46)主演の『ロングバケーション』に代表される王道ラブストーリーが多かったが、近年のドラマは見逃しご法度のラブストーリードラマはなかなか数字を伸ばせていない。16年に有村架純(26)が主演した『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』は恋愛ドラマの傑作と話題になったが、残念ながら平均視聴率は1桁台に終わっている。

 しかし、最近の月9は昨年4月期の『コンフィデンスマンJP』以後、『監察医 朝顔』に至るまで1話完結ものを続けている。全話を見ずとも視聴者が没入しやすい構成にし、“月9は見やすいドラマ”という印象が定着したこともあり、視聴率をじわじわ伸ばしてきたのだ。

■穏やかな役こそ上野樹里は光る!

 2つ目の理由としては『監察医 朝顔』の主演女優、上野樹里の完全復活をあげたい。やはり月9枠でヒットした『のだめカンタービレ』でブレイクしたのが、06年のこと。あれから13年の間、彼女の女優人生はまさに紆余曲折だった。『のだめ』があまりに大きなインパクトだったゆえに、その後はヒット作やハマり役に恵まれず、11年に主演した大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』(NHK)では低視聴率の戦犯扱いに。結婚したこともあってか、主演作品も減っていた。

 しかし、“上野樹里ここにあり”をアピールしたのは、昨年の『グッド・ドクター』(フジテレビ系)だ。主人公、新堂湊(山崎賢人/24)を優しく見守る指導医の夏美を演じ、その演技力の高さを見せつけた。ツイッターでも「上野樹里さんの名女優感、ズバ抜けている」などと絶賛され、演技派女優としての実力をあらためて知らしめた。

 それに続く『監察医 朝顔』の朝顔も静かで穏やか、それでもキラリと光る知性や優しさを時折見せ、33歳を迎えた上野樹里にピッタリきている。『のだめ』以来のハマリ役に、ようやく恵まれるようになったのだ。『のだめ』から解き放たれた上野樹里が、月9枠を以前のような超人気枠に復活させられるか、しっかり注目しておきたい。(ドラマライター・半澤則吉)

「『監察医 朝顔』上野樹里で「月9ドラマの完全復活」なるか」のページです。デイリーニュースオンラインは、監察医 朝顔グッド・ドクター時任三郎風間俊介上野樹里エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧