「トイレ」は幽霊を引き付ける場所? 語り継がれる怪異の世界 (1/2ページ)
1990年代には映画になるなど大ブームとなったトイレの花子さん、00年代にはウェブサイトに書き込まれたひきこさんの怪談など、今も昔もさまざまな形で「怪異」が語り継がれている。いつの時代も、怖いもの見たさ、得体の知れないわからなさで、怪異は人の心を惹きつけるものだ。
では、なぜ人は怪異を求めるのか。日本怪異の系譜と変遷など、日本の怪異について解説するのが『日本現代怪異辞典 副読本』(朝里樹著、笠間書院刊)だ。
本書は、怪異のタイプごとに章をわけているところも面白い。
第1章では、こっくりさんやエンジェルさまなどの降霊占いの怪を集めた「類似怪異」。
第2章では、トイレや学校、乗り物などの「出没場所」。
第3章では、刃物や鈍器などの凶器、呪い、憑依といった「使用凶器」。
第4章では、「都道府県別怪異」として、日本の各地方の怪異の特色を紹介している。
さて、1980年代から90年代にかけて子どもたちの心を震え上がらせた「トイレの花子さん」。
小学校の3階の女子トイレに入り、奥から3番目のトイレの個室のドアをノックして、「花子さん、遊びましょう」と声を掛けると、中から「はぁい」という答えが返ってきて、時にはドアの向こうからおかっぱの少女が現れる。
これがよく知られているトイレの花子さんの怪異だ。
本書によれば、1948年にはこの話の原型が語られ、花子さんは多くの派生怪異を生み出しているという。
実は、「トイレ」という場所は幽霊がたくさん出る場所。男子トイレには「太郎くん」が現れるが、こちらは花子さんとは兄、恋人と関係はさまざま。また、花子さんのライバルとされる「やみ子さん」も登場する。他にも「きぬこさま」「竹竹さん」「ひとみさん」「みち子さん」「ブキミちゃん」などなど、学校のトイレには多くの幽霊たちが現れる場所だというのだ。
この「トイレ」に幽霊が現れるという話は、古くは江戸時代からの伝統のようだ。