AIは全人類が帰依する新たな宗教か。作家・片山恭一が考える「AIがもたらす人類の未来」(前編) (4/4ページ)

新刊JP

ただ、「死」というフィクション自体は非常に強固で、「死」をフィクションとして過去のものにするには少し時間はかかるでしょう。だから「死」は手ごわいのですが、そういう考え方をさせるきっかけになったのがユヴァル氏の本でした。

――宗教というのも「フィクション」であると考えられます。片山さんは本書でシンギュラリティを宗教と述べられていますが、これはどういう意味でしょうか?

片山:この場合、シンギュラリティというよりもAIといったほうがいいかもしれません。宗教は信じざるを得ない、もしくは積極的に帰依するものであると思うのですが、AIがアルゴリズムによって扱うデータは誰もが帰依する――参考にせざるを得なくなるのではないかと思うんです。

例えば、医療現場において「これからあなたはこういう病気になる可能性がある。その時にこういう治療すれば何%治る。また、発症前にこういう処置をすれば何%発症を防げる」という形で、AIが扱うデータを参照して生きるようになるわけです。

キリスト教が今から全人類が信仰する宗教になるのは難しいですよね。ところが、AIは世界上すべての人類を帰依させる力を持っている。そういう意味で、AIは人類の新しい世界宗教になるのではないかということです。さらにAIは、科学的な合理性も持ち合わせている。そして、国家に代わる存在として人間を管理し、コントロールする力も持っている。そうした力を混然一体として持っているAIが世界の中心になっていくことは容易に想像できることです。

そして、今、AIについて動かす大きな力を持っているAmazon、Google、Appleといった超IT企業と呼ばれる存在です。彼らが21世紀の世界をアレンジしていく、人類をコントロールしていくのだろうと思います。

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