薬物依存症の母親の授乳で乳児が死亡、保護観察処分となるも「故意では」と厳しい声 (2/3ページ)

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 2019年5月8日、裁判官はサマンサに過失致死の罪で執行猶予判決を言い渡し、3年間の保護観察と100時間のボランティアを命じた。裁判官は「サマンサは強く反省しているので、彼女を投獄することは無意味である」と述べたそうだ。

 このニュースを受けてネット上では、「こうなる事は予想がついた。過失ではなく故意では」「『誰よりも何よりも愛していた。ただしドラッグは除く』ってことでしょう」とサマンサを責める意見が目立つ。しかし一方では「私がオレンジジュースをがぶがぶ飲んだら、母乳で育てた子供が、お腹を壊してしまった」などの失敗談や「子供を安全に育てることは、簡単なことではない。母親に悪意があったとは思えない」など、同情する声も集まっている。

 ドラッグだけでなく、母親が摂取したものが母乳に移行することはさまざまな研究や報告で分かっている。

 国立成育医療研究センターによると、授乳中に一般的な市販薬を服用する際は、成分と症状により、摂取しても問題のないものと大きな問題のあるものとがあるという。同センターは摂取する場合、自己判断せず、必ず医師や薬剤師などに相談するべきと注意喚起している。

 また、東京都福祉保健局は、授乳中のたばこの害について警告している。1日に20本以上たばこを吸っている母親の母乳を飲んだ乳児が、嘔吐、下痢、頻脈などのニコチン中毒を起こしたという例を報告している。喫煙している母親の血中のニコチン濃度に比べ、母乳中の濃度は3倍高く、ニコチンは母乳に移りやすいそうだ。

 なお、違法薬物の場合は、薬学専門家が「身体の小さい子どもは大人と同じように薬物を代謝できないため、はるかに少量の薬物が致死量になり得る」と、海外ニュースメディア「abc NEWS」の2011年8月の記事の中で話している。

 母親にとってドラッグは自分の体を壊すだけではない。母乳が我が子にとってどれほどの影響を与えるものか、知識を持って子育てをすることは親の責務だ。
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