超深部起源ダイヤモンドが明かす月の年齢に匹敵する本源マグマの存在(オーストラリア研究) (2/3ページ)

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image credit:Graham Pearson

・原始のスープが地球の奥に隠されている?

 地殻と高温で熱された核との間で圧縮されているマントルは、膨大な量でありながら、直接見ることはできず、詳しく研究をするのは不可能に近い。

 今日では、その大部分は固体であると考えられているが、かねてより、まだ地球による攪拌作用を受けていない原始のスープがどこかに残されているのではと推測されてきた。

 この説が初めて提唱されたのは1980年代のこと。火山の溶岩に含まれるヘリウム3同位体とヘリウム4同位体の比率が異常なまでに高いと判明したのがきっかけだ。

 その比率は地球に衝突した非常に古い隕石のそれによく似ていた。

 このことから、この溶岩は、地球内部の奥深くに隔離され、地球が誕生して以来大きくは変化していない化学的な貯留層に由来するものではないかと推測されるようになった。

 最近の研究では、この太古のヘリウムの痕跡は、地球のホットスポットでもとりわけ熱い部分によって地表まで運ばれてきたことが示されていた。しかし、そうした手がかりは火山の近くでしか見つからないために、本当の起源をはっきりと断定することはできなかった。

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Image by skeeze from Pixabay

・本源マグマの証拠

 だが、このほど、ブラジルのジュイナで採掘された24個の超深部起源ダイヤモンドの解析から、地球の奥底に本源マグマが存在する証拠が得られた、とティメルマン氏らによって発表された。

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