お金に詳しくなれる! 金融や投資がテーマの「経済系映画」 (4/6ページ)
上記の利益供与事件が発覚し、『三洋証券』『山一證券』『北海道拓殖銀行』が破綻した年でもあります。バブルの時代は遠くなってしまいましたが、当時の日本の金融業界の惨憺(さんたん)たる状況が実感できる良作です。
『ウォール・ストリート』(2010年)●あまりにも非常なお金の世界
『プラトーン』『ブッシュ』などで知られるオリバー・ストーン監督自身による『ウォール街』(1987年)の続編。社会派と呼ばれるストーン監督ですから、リーマン・ショックに触発されて実に20年超ぶりですが「続き」を製作したくなったのでしょう。
前作『ウォール街』で、インサイダー取引が明るみに出て逮捕、刑務所に収監されたゴードン・ゲッコーが8年ぶりにシャバに出てきます。さらに7年後、ジェイコブ・ムーアが勤務する証券会社が株価の急落で破綻。社長のルイスは自殺します。株価急落にはブレトンの投資銀行が関与していました。
ブレトンはゴードンが逮捕されるきっかけをつくった男でもありました。講演会でゴードンと知り合ったジェイコブはルイスの復讐(ふくしゅう)を考え……というストーリーです。
世界的な金融危機を背景に、お金の戦場で戦う男たちを描いていますが、本作はまた家族の再生を模索する物語でもあります。非情なお金の世界の肌触りが見る者の心に鮮烈な印象を残す作品です。
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015年)●投資家の勝利と世界の破綻
マイケル・ルイスのノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を原作とする作品。