「僕らの女神、小泉今日子を1位にする」。80年代アイドル親衛隊を描いた純度100%の青春物語 (1/2ページ)

新刊JP

『オートリバース』(中央公論新社刊)
『オートリバース』(中央公論新社刊)

いつの時代も若者たちの視線の先にはアイドルがいる。

特に1980年代は「アイドル全盛の時代」ともいえるアイドル熱が日本全体を包んでいた。
80年代の代表的なアイドルといえば、松田聖子さんと中森明菜さん。
その2人に続く人気を集めていたのが小泉今日子さんである。

1982年3月に『私の16才』でデビュー。同期には中森さん、早見優さん、堀ちえみさんら錚々たる顔ぶれで、その豊作ぶりは「花の82年組」という言葉を生んだ。そして小泉さんは歌手だけに留まらず、女優としても活躍。近年ではNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の演技が話題を呼んでいる。

80年代に絶大なる人気を誇ったアイドル・小泉今日子。
そんな小泉さんに当時、命を捧げる少年たちがいた。
彼らは「親衛隊」と呼ばれる組織を形成し、お揃いのはっぴにはちまき姿でコンサートやイベントに顔を出し、歌に合わせて独自の「コール」を叫び、場を盛り上げた。

「親衛隊」は私設ファンクラブで、その規模の大きさが各アイドルの人気を計るバロメーターになっていた。そのため、事務所公認の親衛隊もあり、アイドル本人が参加する「お茶会」が開かれたり、他のアイドルの親衛隊との間で小競り合いが起きたりすることもあったという。
ただ、親衛隊は少年たちにとっての「居場所」であり、青春を賭ける場所だったのは間違いない。

■実話をベースにした小泉今日子「親衛隊」の少年たちの物語

小説『オートリバース』(高崎卓馬著、中央公論新社刊)は、小泉さんの親衛隊に入隊した2人の少年のすれ違いと友情を描く、書き下ろし青春物語である。

福岡から千葉に転校してきた中学生・橋本直は、同じ転校生の高階と出会う。校内暴力が吹き荒れ、家にも学校にも居場所がない。そんな中、売り出し中のアイドル・小泉今日子と出会い、高階とともに親衛隊に入隊。居場所を見つけ、「小泉今日子を1位に」と息を弾ませるのだが、組織が拡大するにつれて暴走族のようになっていき――。

本作には特筆すべき点が2つある。

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