小栗旬VS完脱ぎ女優“くんずほぐれつ”『人間失格 太宰治と3人の女たち』

まいじつ

小栗旬VS完脱ぎ女優“くんずほぐれつ”『人間失格 太宰治と3人の女たち』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『人間失格 太宰治と3人の女たち』

配給/松竹 新宿ピカデリーほかにて全国公開
監督/蜷川実花
出演/小栗旬、宮沢りえ、二階堂ふみ、沢尻エリカほか

題名からしてそのものズバリ。戦後の日本を騒然とさせ、天才作家と謳われた太宰治とその妻、愛人たちとの葛藤を描く話題作で、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみという当代の人気女優による豪華共演が目を奪う。監督が『さくらん』(07年)、『ヘルタースケルター』(12年)などの蜷川実花というのも注目度アップに努めている。

終戦直後の日本。作家の太宰(小栗旬)は身重の妻、美知子(宮沢りえ)や子供たちがありながら、恋のウワサが絶えず、自殺未遂も繰り返す。そんな破天荒な生き方は文壇からは疎まれていたが、時の人にもなっていた。太宰は作家志望の静子(沢尻エリカ)を愛人としながら、戦争未亡人の富栄(二階堂ふみ)とも深い仲になる…。

太宰治の人となり、あるいは著作を題材にした映画は数多くある。近年でも『ヴィヨンの妻』(09年)、『人間失格』(10年)など枚挙にいとまがない。今作は、小栗扮する太宰と同等かそれ以上に、彼を取り巻く女性たちにスポットを当てているのが特徴だ。

富江に憑依したかのような二階堂に感服

蜷川演出は、これまででベストではないか。太宰治という評価が定まった人物を〝ちょっとチャラい男〟風に徹して描いたのが勝因だろう。(女と一緒に)死ぬ死ぬ、と言いながら、なかなかそうはならない〝死ぬ死ぬ詐欺男〟みたいなもん。そんな太宰を演じた小栗も実にイカれて、ではなくイカしていた。彼の代表作になるのではないか。とはいえ実質の主役は、こんな〝チャラ男〟を全身で受け止める女性たち。宮沢は一応貫禄で…、沢尻も〝美尻ヌード〟で対抗する。半裸になってベッドに転がされ、スレンダー・ボディーの裸身が眩しい。あるいはバスタブに2人で浸かって対面座位を連想させる〝浴槽セックス〟もどきシーンもあるが、露出度において『ヘルタースケルター』以上とは言い難い…。となると、ここは二階堂が一番ポイントが高いということになる。

最初は地味な眼鏡姿で登場するが、やがて奔放な魔性を全開させてゆく。赤いネオンが差し込む部屋で、服はすでに剥ぎ取られ、ブラが外れ、見事な膨らみを誇る絶品バストが露出。横になってもその形は損なわれることはなく、2つの乳首はすでにピンと勃起し、興奮度MAX。正常位で貫かれると、感極まったように二階堂は「あぁ~、修治さん(太宰の本名)」と、悩ましい声を上げるのだ。

太宰との間で、すでに主導権を握って一緒に堕ちてゆく富栄という〝最後の女〟の凄みに、二階堂は憑依したかのよう。感服しました。

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