家族が就寝中に起きた突然の火事。自らの命を犠牲にして一家全員を火事から守った犬(アメリカ)

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家族が就寝中に起きた突然の火事。自らの命を犠牲にして一家全員を火事から守った犬(アメリカ)
家族が就寝中に起きた突然の火事。自らの命を犠牲にして一家全員を火事から守った犬(アメリカ)

image credit:Fox13news

 犬は飼い主の良き親友であり、忠誠心も深い。飼い主家族を危険から守ろうとした犬のニュースが伝えられると、心温かい気持ちになるが、今回アメリカのフロリダ州で起こった出来事は、あまりにも悲しい結末となった。

 ある日の夜中、突然自宅で火災が発生し、その危険を寝ている家族に知らせようと必死になって吠え続けた飼い犬が、逃げ遅れて命を失ったのだ。

 犬のおかげで、家族全員は無事に避難することができたが、一家は家だけでなく大切な飼い犬も失ってしまった。

 飼い主の男性は、犬が自分たちにしてくれたことに感謝しながらも、その命を救いきれなかった悔やみの言葉を口にした。

'He was a good dog': Zippy alerts family, dies in house fire

・屋根裏から発生した火災を、犬が飼い主家族に知らせる

 悲劇は、フロリダ州マナティ郡ブレイデントンにある一軒の民家で起こった。

 9月17日の夜中2時頃、レオリー・バトラーさんは自宅廊下に設置されてあった火災警報器が鳴っている音で目を覚ました。

 しかし警報器は、数回短く鳴った後、止まったという。

 この時一家に火災の危険を知らせたのは、飼っていたジャック・ラッセル・テリアのジッピーだった。

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image credit:Fox13news

 あっという間に炎が部屋を包み始め、家具が燃え、天井が飲み込まれそうになっている状態の中、ジッピーは家族が寝ているベッドからベッドへ素早く何度も行き来し、緊急事態を知らせた。

 そのおかげで眠っていた家族は目を覚まし、すぐさま外へ避難することができた。


・ジッピー、家の中に取り残される

 しかし、子供2人と父親が外に避難したことを確認したレオリーさんは、ジッピーの姿がないことに気付いた。

 ジッピーが家の中に取り残された状態であると知り、レオリーさんは再び家の中へ入ろうとしたが、煙が高く炎の勢いも強かったために、ジッピーを助け出すことは叶わなかった。

 家が激しい炎に包まれている間、家族はなす術もなく、身動きもできずにただ悲鳴をあげて叫び続けていたという。

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image credit: youtube

・自らの命を犠牲にして家族を守ったヒーロー犬

 駆け付けたブレイデントン消防署により消化活動が行われ、炎は鎮火した。

 重要なのは、一家が全員無事に避難できたことだろう。しかし、家と思い出の品全てが燃え、飼い犬までも失ってしまった一家のショックはやはり大きい。


 レオリーさんは、後日メディアの取材でこのように話している。

ジッピーは、3~4年前に保護施設から引き取ったんです。いい犬でした。できる限りのことをして、自分たちを救おうとしてくれたのでしょう。

火事になった時、あまりにも炎が大きくて、私たちはどうすることもできませんでした。ただ、火が消えるのを待つしかなかったのです。消防隊員がジッピーを発見したのですが、煙をたくさん吸っていたようで、既に手遅れでした。

他の家族は全員無事でしたが、ジッピーだけ救ってやることができなかったことをとても残念に思います。

 レオリーさんの子供たちは、悲しみを堪えながら、自らを犠牲にして家族を守ってくれたジッピーの亡骸を埋めた。


 なお消防署によると、火は空調ユニット近くの屋根裏部屋から広がったとみられているが、どのようにして火災が発生したかということは、現在調査中とのことだ。

References:Fox13newsなど / written by Scarlet / edited by parumo
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