草刈正雄の人間力「ターニングポイントで、いい出会いに恵まれました」 (2/3ページ)
それが『記憶にございません!』という作品です。記憶喪失の総理大臣をめぐるコメディで、僕は政界を牛耳る官房長官を演じています。
■60歳を過ぎてから、こんな充実した日々を送ることができるなんて
この作品に限らず、僕はあまり緻密な役作りをしないで、その瞬間のひらめきで演じるタイプです。『真田丸』のときも、昌幸がそのとき何歳なのかも考えずにやっていたし、現在放送中の朝ドラ『なつぞら』の泰樹じいちゃん役もそう。ときどき台本にその時点での年齢が書いてあって「あぁそうか、そんな年になっていたか」と、やっと気がつくくらいです(笑)。
今回の官房長官も、年齢設定があったかどうかも記憶にないんですが(笑)、なにしろ三谷さんが僕を想定して書いたキャラクターだし、僕なりにやって、違っていたら三谷さんが何か言ってくれるだろうと。思う存分楽しくやらせていただきました。
50年前に上京したときは、まさか60歳を過ぎてから、こんな充実した日々を送ることができるなんて思いもしませんでしたね。
先日、友人が「面白いところがあるんだよ」と、店内のテレビで古い資生堂のコマーシャルばかりを流すスナックに連れて行ってくれたんです。その中に、僕が17歳のときに出演したCMもあって、若かりし頃の自分と再会しました。いやぁ、自分で言うのもなんですが、美少年でしたね!(笑)あの当時は、かっこいい男性モデルや、すごくきれいな女性モデルがたくさんいました。そんな中、15年もシリーズでCMをやらせてもらえたのは、とてもラッキーなことだったと思います。
この50年、いろんなことがありました。若い頃にポーンと行ったけど、その後、うまくいかない時期もあった。でも、そこで『真田丸』と三谷さんと出会えて、今がある。本当に幸せですよ。僕はターニングポイントで、いい出会いに恵まれました。