草刈正雄の人間力「ターニングポイントで、いい出会いに恵まれました」 (1/3ページ)

日刊大衆

草刈正雄(撮影・弦巻勝)
草刈正雄(撮影・弦巻勝)

 60代も後半に差しかかって、もともと苦手だった台詞覚えが、地獄の苦しみになってきました(笑)。以前は自宅で覚えていたんですが、ある友人から「ザワザワしている場所のほうがかえって頭に入るよ」とアドバイスされたんですね。そんなバカなと思いつつ、試しに近所のカフェでやってみたら、これが確かに覚えられる。以来、ドラマや映画があるときは毎日通って台本を広げています。

 あるとき、いつものようにカフェで台本と悪戦苦闘していたら、誰かに「草刈さん」と声をかけられた。ふと顔を上げたら、なんと脚本家の三谷幸喜さんが目の前にいたんですよ。そして、いつものように生真面目な表情で「今度映画を撮るんですけど、出ていただけませんか?」って。こんな形で出演依頼をされることはめったにありません。普通は事務所を通してオファーが来ますからね。

 でも思えば、2016年の大河ドラマ真田丸』のときもそうでした。14年の夏、三谷さんの舞台に出演していた僕の楽屋に、彼がひょっこり来て、「来年の大河ドラマの脚本を書くんですけど、出ていただけませんか?」とオファーを受けたんです。「ぜひお願いします」と、やらせていただきましたが、これが僕の俳優人生の中で大きな存在となった、真田昌幸役でした。

 あの役、そして三谷さんとの出会いは、僕にとって本当に大きかったですね。新しい台本が届くのがあれほど待ち遠しい作品はなかったし、撮影現場に行くのがあれほど楽しい役はなかった。毎日がワクワクドキドキ、『真田丸』は心躍る作品でした。

 そんな三谷さんが脚本を書き、監督する映画が、面白くないわけがない。話しかけられたカフェで、どんな役柄かお尋ねすることもなく、二つ返事で引き受けました。

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