初版部数は「平均的」。『英単語の語源図鑑』ベストセラーへの道のり (2/4ページ)
さらに「tend」は「外に」を示す「ex」と結びつくと「extend」=「延長する、伸ばす」となり、「共に」を意味する「con」と結びつくと「contend」=「争う、競い合う」と、いわば芋づる式に広がっていく。さらにすべての単語にイラストを加えることで、感覚的に単語の意味を捉えることができる。

このように手間暇と工夫が光る一冊だが、初版は5000部だった。「弊社としては平均的な部数。当初からベストセラーになるという確信があったわけではありませんでした。」(以下コメントは相澤さん)
それでも、刊行当初から売れ行きは良く、「早い段階からレビューや読者からの感想も多くいただいていて、『こんな本がほしかった』という声をもらっていました」という。
もともとの本書のターゲットは英語を学習している人たち。しかし、実際売り場に本が並ぶと、それを手に取る読者は、TOEICや英検での資格取得を目指しているような人たちだけではなく、「気軽な気持ちで英語を学び直したいと思っている人たち」だった。これが本書のヒットを手繰り寄せた最大の要因の一つなのだろう。
「いわゆる『学び直し』の層と言いますか。オリンピックの影響かどうかは分かりませんが、ちょっと英語を学び直したいという気持ちのある人たちが実はたくさんいた。その結果、語学書の棚だけではなく、書店の売れ筋や新刊の棚に置いていただくことができた。そういう部分は大きかったと思います」
■電車での広告で「あの黄色いカバーの本」と認識される本書において大々的な広告展開を行ったのは「秋口以降」だったという。つまり、発売から3~4ヶ月過ぎた後だ。
それまでは新聞広告を打ちつつ、リリースでの情報提供や販促動画の制作など地道なPRを行いながら、少しずつ口コミやSNSなどで話題が広がっていった。書店ランキングなどにランクインすることも珍しくなかったが、「しばらく店頭での品薄状態が続いていた」という。