初版部数は「平均的」。『英単語の語源図鑑』ベストセラーへの道のり (4/4ページ)

新刊JP

■「危機感しかない」――出版業界に今求められていることとは?

この本と同じような形で、「ベストセラーへの道のり」を歩んでいる本がかんき出版から出ている。それが2019年1月に刊行された『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』(西成活裕著)だ。こちらは現在までに20万部超となっている。

タイトルに「東大」「文系」「数学」というキーワードを散りばめた本書は、中学3年間で学ぶ数学をぎゅっと凝縮した1冊。著者は東京大学先端科学技術研究センター教授。予備校講師をしていた経験もあり、「わかりやすく教えること」のプロフェッショナルである。

数学も英語も、「かつて勉強していたが挫折してしまった」「もう一度学び直したい」と思いやすいテーマだ。相澤さんは「『英単語の語源図鑑』での経験や広告の手法を踏襲した結果、短時間で部数を伸ばすことができた」と述べる。

ただ、出版されているのはこうしたベストセラーだけではない。むしろ、ベストセラーは一握りの存在だ。

相澤さんも「ヒットが出ても、常に危機感は持っています」と本音を端的に述べ、こう続ける。

「個人の考えですが、もっと書籍を買ってもらうことについて考えていかないといけない。まずは書店に足を運んでもらわないと本は売れませんから、例えばインフルエンサーに協力をしてもらって知っていただくだけではなく、アクションを起こしてもらわないといけない。」

正解の欠片はたくさんあっても、それらを上手く組み合さなければ、大きな成功を得ることはできない。コンテンツ、広告、タイミング、メッセージ、パッケージ、チャネル。相澤さんは「試行錯誤」という言葉を使って表現をする。その試行錯誤を積み重ねていくこと、今最も求められていることなのかもしれない。

(取材・構成/金井元貴)

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