初版部数は「平均的」。『英単語の語源図鑑』ベストセラーへの道のり (3/4ページ)
出版において、すでに売れている本を「より売り伸ばす」ためにはどうすればいいかということは大きな課題の一つだ。本書の場合、「交通広告」が一つの解答であったようだ。
電車内に貼られた『英単語の語源図鑑』の広告を見たことがあるかもしれない。黄色のイメージカラーに単語の語源を表現するイラストが掲載された、一目見るだけで本書の内容が理解できるデザインだ。
2018年9月、発行部数が14万部に達した本書のさらなる売り伸ばしを見据え、東京メトロと阪急電鉄のドアステッカーの広告を打った。それに続き、同年11月にはJR東日本の首都圏全線のドア横で展開。さらに年末年始や今年5月のゴールデンウイークなど、複数回にわたって打ち続けた。
「ドア横の額面広告では、本書の特徴であるイラストを前面に押し出し、カラーで直感的に理解できることを伝えるようにしました。その結果、『あの黄色い本、気になっていたんだよね』と思っていた方々にリーチできたように思います。『黄色いカバーの英語の本』と認識されれば、書店に行ったときも分かりやすいですよね。そういう浸透の仕方ができていたのではないかと」
ランキングで上位を保ち続けることによって語学書ユーザーの目にも留まるようになり、さらにテレビ番組でも取り上げられる。本書にはそうした好循環ができあがっていった。

その人気を生み出した根っこを探っていくと、この本の持つ「分かりやすさ」「理解しやすさ」「キャッチーさ」が浮かび上がる。
相澤さんは、「英語の先生に勧められて、とかお子さんやお孫さんへのプレゼントに、という理由で本書を購入している人もいらっしゃいます。また、読者のボリュームゾーンはやはり年代的に上の世代の方々なのですが、『学生時代にこの本があれば良かったのに』という感想もいただきます」と言う。