(週刊大衆連動)4コマ漫画『ボートレース訓練生・美波』第24話こぼれ話

日刊大衆

(週刊大衆連動)4コマ漫画『ボートレース訓練生・美波』第24話こぼれ話

 福岡県柳川市にあるボートレーサー養成所では、今年も10月に新たな訓練生が入所してきます。全国から集まった新しい顔ぶれで、ここからまた1年間の厳しい訓練が始まるわけです。

 入所時は携帯電話は持ち込み禁止。男子は坊主頭、女子は短髪。課業は朝6時の起床から始まり、22時の消灯まで分刻みで組み込まれ、生活全般を徹底的に管理されます。

 当然、遅刻は許されません。さらに、定期的な身体検査や体重測定などもあり、体の管理までチェックされます。つまり、太りすぎたり痩せすぎたりしても、指導の対象になるのです。これは遊び盛り、食べ盛りの若者からすれば、かなり酷な生活といえます。

 ちなみに、ボートレーサー養成所を卒業した訓練生から「辛かった訓練の思い出」を聞くと、だいたい次の2つが上がってきます。ひとつが「パドリング航走」、そして、もうひとつが「エンジンをかける作業」です。

 パドリング航走とは、ようやく艇に触れることができるようになった訓練生が、艇と水に慣れるため、エンジンをかけずにパドル(オール)だけで水面を進む訓練です。聞いただけだと簡単そうに思えますが、もともとエンジンを使って進むように設計されている艇を腕の力だけで動かすことは容易なことではありません。しかも、体力のない者は集団から遅れをとり、焦りと不安と情けなさに苛まれます。

 しかし、これが上手にできないと、エンジンがストップしたときに自力で回避行動ができません。一見、拷問のように思えるパドリング航走も選手を守るための訓練なのです。

 もうひとつの「エンジンをかける作業」ですが、これが「辛い思い出」だと言われても、普通の人は意外に思うかもしれません。

 実は、ボートレース用の艇のエンジンは始動がスイッチではなく「手動式」なのです。昔のバイクのキックレバーを使ったエンジンスタートを思い浮かべていただければ、分かりやすいかもしれません。ボートの場合は、これを漫画にあるように専用のヒモと手を使ってやりますが、これがコツを掴めないと思うようにかかりません。

 実際、周囲ができているのに、自分だけできないと焦ります。また、できるまで何度でもやらされるため、体力だけでなく、精神的にも消耗します。

 ゆえに、パドリング航走とエンジンスタートは、体力面と精神面の双方にダメージを与える恐れがあるため、「辛い思い出」として訓練生の記憶に残ってしまうのです。

「(週刊大衆連動)4コマ漫画『ボートレース訓練生・美波』第24話こぼれ話」のページです。デイリーニュースオンラインは、モーター訓練女子アスリート携帯電話美女エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧