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本好きのリビドー (3/3ページ)

週刊実話

どのように思いますか?
長男 2009年に起きた「秋葉原通り魔事件」の犯人の弟さんが自殺された一件が衝撃的でした。事件の内容、質は違いますが、年齢的にも近く、兄のせいで僕と同じように大変な人生を歩んできたわけです。自殺を知った時は他人事とは思えず、ひどく落ち込みました。加害者家族の大変さや苦しみを受け入れる余地は、今の社会にないのだなと…。

――婚約者の父親に“林眞須美死刑囚の長男”ということを告白してしまいますね。なぜでしょうか?
長男 相手方のご両親は、僕のことを誠心誠意、受け入れようとしてくれました。そのため、自分の出自について嘘をついていることに対し、常に罪悪感があったのです。しかも、「将来は家も土地も君のものにしていい」とまで言っていただき、母のことを話さざるを得ないという思いに駆り立てられました。もちろん「それでも受け入れてもらえるのでは?」という淡い期待もありましたが、結果として“婚約破棄”となりました。でも“正体”を明かしたことについては、今でも悔いはありません。

――母親の事件の“関与”については、どのように考えていますか?
長男 まず言いたいのは、11歳まで一緒にすごしてきた“凶悪犯”と言われている母の印象に、自分としては大きな違いがあるということ。当日の母の様子を間近で見ていましたが、毒物を混入させる機会も動機も思い当たりません。実際、裁判の過程で僕や姉妹はそう証言してきましたが、一切取り上げられず、動機や物証、自白がないまま死刑判決が下されたことは、到底納得できるものではありません。今後は再審請求が認められる日が来るまで、できる限り事件や母について発信を続けていきたいと考えています。そして、いつか事件の真実が明らかになり、区切りを迎える日が来ることを願っています。
_(聞き手/程原ケン)

林眞須美死刑囚長男
1987年和歌山市生まれ。’98年7月に発生した「和歌山毒物混入カレー事件」の“犯人”として逮捕された林眞須美死刑囚の長男。現在は会社勤めをしながら、母の様子やカレー事件についての情報を発信している。9月29日、大阪のロフトプラスワンウエストにてトークイベントを開催。

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