「実直さ」はもういらない?これから評価されるビジネスパーソンの特徴 (2/3ページ)

新刊JP

――「しずかちゃんの心を自分に向けたい」というようなものですよね。

吉角:そうそう。大人が読んでも楽しめるのはこのブラック感がいいのかなと。作者はそういうつもりで書いたんじゃないかも知れませんが。

――秘密道具がどんどん現実になっているように、すごいスピードで技術が進歩して、それこそAIや高度なロボットが出てきているなかで、働く人間に必要な技能も変わってくるはずです。これから必要とされる技能や素養についてどうお考えですか?

吉角:ひとことでいうと「がんばって働かないこと」じゃないかと思いますね。部活動が象徴的ですけど、今の学校教育では少なからず「努力すれば報われる」と思い込まされるところがあります。ただ、そこだけが評価される時代ではなくなると思っています。

――「実直さ」よりも発想力が重視されるようになるということを書かれていましたね。

吉角:マーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブズのように、ドロップアウトして「学校教育の価値観から逃げた人」でも、アイデアと行動力で活躍できるのが大人になってからの世界ですからね。

このあいだ別の取材で、学校教育をまっとうした高学歴の人材がなぜ起業しないのかということを聞かれたんですけど、なんと答えていいかわからなかったんですよね。そもそも僕は大学行ってないし(笑)。ただ、自分の周りを見ると、起業してやっている人で高学歴って確かにあまりいないんですよ。

――それはなぜなのでしょうか。

吉角:大卒組の方が平均的には高卒や中卒の人より収入はいいはずだから、そうなるとリスクをとって起業するという選択をしなくなるのは当たり前といえば当たり前です。自分のことを振り返ってみても、「底辺」だったからリスクをとってアタックしないと自分の社会階層を変えられなかった。周りの経営者に高学歴がいないのはそういうこともあるように思います。

――現状のままでいても「底辺」で生きるしかないなら、アタックしてみようと。

吉角:そうです。「実直さ」の話に戻ると、学校で出される課題は言ってみれば「止まっている標的」なんです。止まっている標的を倒していく。それこそまじめにコツコツやることでクリアしていけるわけです。

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