ソ連に操られていた…アメリカが隠していた「不都合な真実」 (1/3ページ)
第二次世界大戦から朝鮮戦争、そして冷戦。
現在へと続く戦後の歴史は「アメリカ覇権の歴史」でもある。
そのアメリカが今、「ある文書」によって自国の戦中・戦後史の見直しを強いられていることをご存じだろうか。そして、この歴史の見直しは日本にも暗い影を落とすものかもしれない。
■ソ連の暗号解読が引き当てたとんでもない事実『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』(扶桑社刊)は、アメリカが1995年に公開するまでひた隠しにしてきた「ヴェノナ文書」を軸に、戦中・戦後のアメリカの政策決定が「スパイ」によってゆがめられていた可能性を指摘する。
話は1943年、第二次世界大戦中にさかのぼる。アメリカ陸軍情報部の「特別局」の情報官がこんな噂を聞きつけた。
「独ソが英米を出し抜いて単独和平交渉を行っている」
この和平が成立すれば、両国は結託して戦争資源を米英に集中してくる可能性がある。この噂は当時の米軍にとって極めてデリケートな情報だった。
真偽を確認するために、アメリカは在米ソビエト外交官がソ連本国と交わしている秘密通信の解読プロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクトを「ヴェノナ作戦」と名づけた。
「論理的に解読不能」とされる複雑な暗号システムに挑む困難なプロジェクトだったが、アメリカの情報分析官たちの奮闘によって、アメリカはついに暗号を部分的にではあるが解読することに成功。通信の内容は「独ソの和平交渉」を示してはいなかった。
しかし、これでひと安心、とはいかなかった。その代わりにもっととんでもない事実が明らかになったのである。
■なぜこんなに早く?ソ連の原爆保持の謎話がそれるが、第二次世界大戦終戦当時、核戦力を持っていたのは世界の中でアメリカだけだった。そして、そのままアメリカのみが核を持っている状態であれば、今の世界秩序は全く違ったものになっていたはずだ。終戦後長くつづいた米ソの冷戦は、両国ともに核という「最終兵器」を持っていたからこそ起こり、維持されたものだからだ。