世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第339回 自己実現的予言 (2/3ページ)

週刊実話



 データが公表されている2017年の人口について、2000年と比較すると、人口減少率が最も大きいのがラトビアで、17.3%。2位がリトアニアで16.8%。対する日本の人口減少率は、わずか0.2%。ほとんど“誤差”レベルである。ちなみに、21世紀に入り、日本よりも速いペースで人口が減っている国は、人口100万人以上に限っても20カ国ある。

 日本を含めた21カ国の中で、経済成長していない国は、日本同様に「バブル崩壊+緊縮財政」で2008年以降に経済がデフレ化したギリシャ、そして我が国のみだ。

 と書くと、「知ったかさん」が登場し、「いやいや、三橋は分かっていない。日本は総人口の減少は大したことないかも知れないが、経済で問題になるのは生産年齢人口(15―64歳)だ。生産年齢人口が減っている以上、経済成長できるはずがない」と、主張を変えてくる。

 ならば、最初からそう言ってくれという話だが、2017年の生産年齢人口を2000年と比較すると、日本は▲11.8%で、確かに減少率が大きい(少子化である以上、当たり前なのだが)。とはいえ、ラトビア(▲20.2%)、リトアニア(▲18.7%)、ジョージア(▲14.2%)など、日本よりも速いペースで生産年齢人口が減っている国々が複数ある。

 というわけで、日本、ラトビア、リトアニア、ジョージアの「生産年齢人口」「GDP」「総固定資本形成(投資)」について、各国の直近のデータを2000年と比較してみよう。

 下図の通り、ラトビア、リトアニア、ジョージアの生産年齢人口減少率は、日本よりも大きい。ところが、名目GDPはラトビアが3.82倍、リトアニアが4.1倍、ジョージアが4・96倍になっている。対する我が国は、等倍。つまりは、日本“だけ”が全く成長していない。

 と書くと、またまた「知ったかさん」が、「いやいや、バルト諸国やジョージアは新興経済諸国だから、成長余地があるんだよ。日本は成熟しているから、成長していないだけ」と、それっぽいことを言い出す。この時点で「生産年齢人口が減る国は経済成長しない」が嘘であることを、本人が認めていることになる。とりあえず「でたらめ言って、ごめんなさい」と謝罪するべきだと思う。
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