世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第339回 自己実現的予言 (3/3ページ)

週刊実話



 ところで、バルト諸国やジョージアが経済成長し、日本が「全く成長していない」理由は、図を見れば一目瞭然だ。成長している「人口減少国」では、総固定資本形成(投資)が数倍規模に増えている。それに対し、我が国の総固定資本形成は、何と0.86倍。つまりは、減っている。むしろ、投資を減らしている日本国のGDPが、よく’00年レベルで維持されているものだと、感心してしまうくらいである。

 総人口や生産年齢人口が減っていようが、投資が拡大すれば、経済は成長する。日本が経済成長していないのは、人口の推移とは無関係で、単に投資が減っているため。そして、日本で投資が伸びないのは、まさに「日本は経済成長しない」と、国民の多くが勝手に思い込んでいるためなのである。

 ちなみに、日本以外の先進国にしても、人口とは無関係に、投資が増えることでそれなりの経済成長を達成している。「日本は成熟しているから」うんぬんで経済成長を否定する人は、我が国が欧米諸国よりも「成熟」していると言いたいのだろうか。そもそも、成熟の定義が不明だが。

 人口減少も「成熟」とやらも、日本が「投資」を減らしていることの言い訳にすぎない。資本主義経済は投資により成長する。この基本を思い出さない限り、我が国は「自己実現的予言」に縛られ、衰退の道を歩んでいかざるを得ない。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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