心臓発作で倒れ、2匹の愛犬と引き離された男性。見知らぬ人々の尽力で再び愛犬を取り戻す(アメリカ)

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心臓発作で倒れ、2匹の愛犬と引き離された男性。見知らぬ人々の尽力で再び愛犬を取り戻す(アメリカ)
心臓発作で倒れ、2匹の愛犬と引き離された男性。見知らぬ人々の尽力で再び愛犬を取り戻す(アメリカ)

image credit:WTHR-TV/Facebook

 激しい心臓発作を起こして倒れた後、大切に育ててきた愛犬2匹と離れ離れになってしまった元海軍獣医男性は、回復中もずっと2匹のことを気にかけていた。

 しかし、動物管理局に引き取られれていた犬たちは、自動的に養子縁組の手続きをされ、果てはどこかのペットショップへ行きついたようだ。

 だがその約3か月後、見知らぬ人々の善意により、飼い主男性は愛犬との再会が叶い、自分のもとへ取り戻すことができた。

 大好きな犬たちともう二度と会えないかもしれないと思っていただけに、再会の喜びは大きく、溢れる涙を抑えきれない男性の姿を見た周りの人たちもまた、感動に包まれ、涙した。

Veteran receives surprise getting dogs back!

・元海軍獣医の男性、激しい心臓発作を起こして倒れる

 事の起こりは2015年9月25日。元米海軍獣医のジェイムズ・パックさん(当時58歳)は、ラブラドールとピットブルのミックス犬ベイリーとブレイズの2匹を連れて、新しい住処を探していた時に、突然激しい心臓発作に襲われた。

 病院で目を覚ましたパックさんが一番に求めたのは、2匹の愛犬の姿だったが、どこにも見当たらなかった。

 発作により喉と体の左側が一時的に麻痺していたパックさんは、十分に話をすることができない状態になっており、生き延びたのは奇跡と言われた。

 しかし、発作が大きかったことで健康を回復するのに長い時間がかかった。

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rawpixel/pixabay

 その間、いつもパックさんが思っていたのは、ベイリーとブレイズがどこにいるのかということだった。

 2匹は、別々の親元からパックさんが引き取って、生後8週間の頃から大切に育ててきた犬で、パックさんは何を置いても犬を第一に考え、十分な愛情を注いで世話をしてきた。


・2匹は動物管理局に引き取られていた

 パックさんは、回復中同州カムデンにあるアメリカ動物虐待防止協会(First State Animal Center and SPCA)の地元支部に犬の行方を尋ね、相談した。

 すると、犬2匹はパックさんが発作で倒れた直後に、動物管理局に引き取られていたことが発覚したのである。

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kimdewar0/pixabay

 入院中、パックさんには2匹の犬の世話を頼れるような人物はおらず、身内も犬を引き取る意思を示さなかったことから、2匹は5日間管理局に保護され、その後保護施設へと移された。

 ベイリーとブレイズが保護施設に預けられていることを知ったパックさんは、何度も病院から連絡し、回復すれば必ず迎えに行くと伝えていた。

 しかし施設側は、パックさんの回復が長引いていることを知り、20日間犬たちを保護した後、去勢・避妊手術を受けさせ、養子縁組の手続きをすることに決めた。

 新たな飼い主に引き取られる手順を踏んでいた2匹だったが、うまくいかず、結局ニュージャージー州ドーバーにあるペットショップへと引き取られていくことになった。


・状況を知った親切な人たちから寄付が集まる

 発作からおよそ3か月後の12月16日、ようやく退院したパックさんは、住居を見つけた後、真っ先に犬を引き取るためにペットショップへ出向いた。

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image credit:Wikimedia Commons

 ところが、店側は2匹を引き取りたいのなら1匹につき200ドル以上ずつ払うように要求してきた。

 入院中、会いたくてたまらなかった2匹になんとか会うことができたものの、パックさんには引き取れるだけのお金の余裕がなかった。

 唯一の財産ともいえる車を鉄くず置き場へ売ってまでお金を得ようとパックさんが悩んでいたところ、この一件を知ったアメリカ動物虐待防止協会のスタッフらが、クラウドファンディングサイトで寄付を呼びかけた。

 また、このニュースをソーシャルメディアなどで知った複数の団体が、パックさんへのサポートをオファー。クラウドファンディングのアカウントにも多くの寄付が寄せられた。

 更に、ある親切な男性がパックさんの代わりに犬を引き取るお金を払うと申し出て、結局一匹の引き取り手数料をが125ドルに減額された後、男性はパックさんのために内緒で支払いを済ませた。


・ついに、愛犬2匹と奇跡の再会を果たす

 誰かが、引き取り料を肩代わりしてくれていることなど知らずに、翌日手にしたお金を持ってペットショップへやって来たパックさんは、店員から「お金は要らない」と言われ驚いた。

 「もう、支払ってくれた人がいます。犬を連れて帰ることができますよ」と聞かされたパックさんは、「信じられない」と呟き、感極まったのか口元をおさえた。

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image credit: youtube

 動物教会のスタッフや、寄付をしてくれた人たち、それから犬の引き取り料をサプライズで払ってくれた人…見知らぬ人たちが自分にしてくれた全ての優しさに感動し、涙したパックさんは、そっとキスをした手を天へ掲げた。

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image credit: youtube

 その後、ベイリーとブレイズが店員に連れられて目の前に現れると、パックさんは感激のあまり号泣し、3か月ぶりに再会した愛犬を強く抱きしめた。

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image credit: youtube

 多くの人にとって、犬は人生の大きな一部であり、大切な家族だ。自分を後回しにしてでも犬を優先する生活を送って来たパックさんにとって、犬と離れ離れになった3か月間は、本当に耐え難い日々だったに違いない。

 翌日のメディアへの取材で、パックさんはこのように話している。

また、2匹に会えるとは思っていませんでした。これは奇跡です。ゆうべは、2匹と一緒にベッドで眠りました。といっても、途中で私が2匹に押されて床に落ちてしまったのですが。

愛犬2匹と再会できて、最高のクリスマスになりました。

 なお、パックさんの退院後の生活をサポートするために呼びかけられた寄付金も、多くの親切な人々により十分集まったようで、サイトには感謝の言葉が綴られた。

References:The Western Journalなど / written by Scarlet / edited by parumo
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