高畑充希vs橋本愛『同期のサクラ』は北島マヤと姫川亜弓だった

日刊大衆

左=高畑充希・右=橋本愛
左=高畑充希・右=橋本愛

 ドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系)の第1話が10月9日に放送された。『家政婦のミタ』『女王の教室』『過保護のカホコ』と、遊川和彦氏の脚本ドラマはどれも、見るのに気力体力がいる。なぜなら、社会で角を立てず平穏に過ごすため封印してきた部分を、これでもかと容赦なく掘り起こしてくるからだ。

 まさに1998年に彼が脚本で参加した『GTO』(フジテレビ系)の主題歌そのもの。結局「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」ということなのである。「自分の正義をちゃんと言葉にして伝えろ、行動しろ」というメッセージを、あまりにも極端な形で主人公に課し、ストーリーに乗せてくるのだ。

 そして今回、高畑充希(27)が演じる北野サクラも、やはりすさまじいパンチ。『家政婦のミタ』『ハケン占い師アタル』のように、メリー・ポピンズのようなツンデレさで周りを変えていくヒロインとは違う。純粋過ぎる正義で、周りを巻き込んでいくジャンヌ・ダルク的な危うさ。見ていて、もう怖い怖い!

 サクラの生き方は夢と理想を持ち、そのために生きる。言うことはその場でハッキリ言う。とてもシンプルなものである。サクラはそうやって職場の花村建設をギスギスさせながら、生ぬるく見過ごされて来た悪習に対して物申していく。

 が、これを露骨にやってしまうと、場が固まるのが社会の常だ。その姿はドラマとして見ても、決して「痛快」とは言えない。自分は超マイペースで人に合わせないくせに、「仲間が力を合わせれば」と強要するサクラ。偶然、班が同じになっただけで、会ってまもない同僚に「仲間ナカマ」と自分のこだわりを押しつける姿はうっとうしい。同意が得られなければ勝手に夜なべして一人で課題を作り直し、周りを罪悪感と劣等感にさいなませる。絶対に友達になりたくないタイプだ。

■あえて『過保護のカホコ』に続ける高田充希の女優魂

 そんな視聴者の抱くイライラをこれから代弁していくのがきっと、都会的で社会性抜群な優等生、月本百合を演じる橋本愛(23)の役割なのだろう。初回の彼女の「自分の信念まっしぐらみたいなこと言ってっけどさ!」という怒号はしびれた。高畑充希vs橋本愛の睨み合いの絵面と演技合戦は、まるで『ガラスの仮面』の北島マヤと姫川亜弓じゃないか! と勝手に妄想を膨らませてしまったほどだ。

 高畑充希はイメージの固定を恐れず、またしても遊川脚本、しかもカホコ的な癖のある役に飛び込んだ度胸だけで、もう女優魂100万点。そんな天才に23歳という若さで迎え撃つ橋本愛のモチベーションは恐ろしい。

 初回はいきなり結末から始まり、そこから時間を遡っていくという展開。ジャンヌ・ダルクが火あぶりになったように、サクラも正しさ・純粋さゆえに敵を作り「脳挫傷」(殴られる)という結果になるのでは、と予測してしまったが……。これからどう初回のあのシーンにつながる伏線が埋まっていくのか。かなり怖く、とても楽しみである。(田中稲)

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