うどんの酸いも甘いも知り尽くす! 香川大学・合谷祥一先生の「うどん学」 (2/5ページ)
ただ、受講希望者はそれ以上集まるので、毎回抽選で決めています。
毎回定員以上の受講希望者が集まる人気講義――希望しても受けられない可能性があるのですか……。講義の中で特に反響が大きかったものは何が挙げられますか?
「うどんのゆで汁の処理問題」ですね。
実はうどんのゆで汁の汚染指数(COD)は、100倍に薄めても池や川の水よりも高いのをご存じでしょうか?
――いえ、知りませんでした! 100倍に薄めても川の水よりも汚いって、相当な汚染度なのですね。
香川県の人々はうどんを多く食べますから、それだけ汚染指数の高い排水を多く流していることになります。これは深刻な問題になっていて、県もさまざまな対策を行っています。
大学の講義は客観性が求められるので、いい部分だけでなく、負の側面も取り上げ、学生たちに問題提起をしています。
――うどんが盛んな地域だからこそ、マイナスの面もしっかりと学び、解決策を考えないといけませんね。
産学官連携の講義の第3弾として誕生――「うどん学」の講義はどのような経緯で生まれたのでしょうか?
香川大学の農学部では、「地域資源学シリーズ」と銘打って、地域に根ざした産学官連携の講義を行っています。
これまでに「オリーブ学」や「希少糖学」といった地元の地域資源をテーマにした講義を開講し、それらに続く講義として生まれたのが「うどん学」です。
――地域に根差した講義シリーズの一つなのですね。