天才テリー伊藤対談「船山基紀」(2)編曲に使う時間は1曲3時間だけ!? (1/2ページ)
テリー しかし、常にみんながアッと驚くような新しいものを求められるというのは大変ですね。
船山 だから音の最新のトレンドを知るために海外アーティストの新作レコードを山ほど買いましたし、新しい技術が導入された機材が出てきたら、真っ先に買うんです。僕の手がけたものの中で、そういうタイプの代表格は、少年隊の「仮面舞踏会」ですね。あのわけのわからないイントロも、当時導入したばかりのフェアライトというシンセサイザーで作ったものです。
テリー わけはわからないけど、本当にインパクトが大きくてね。僕、少年隊ではあのデビュー曲がいちばん好きなんです。
船山 あの曲、できるまでがすごく大変だったんですよ。「ニューヨークで修行している3人の男の子を、なんとかグループの形にしなきゃいけない」と、ジャニーズ事務所もレコード会社も大騒ぎしていて‥‥たしか曲のタイトルも、レコードの発売が決定する直前まで決まらなかったんじゃないかな。
テリー ええっ、僕はてっきり、あのヨーロッパ的なタイトルのイメージから、あのイントロになったんだと思っていましたよ。
船山 先にタイトルがあったら、逆にああいうふうにはならなかったでしょうね。本編のメロディとまったく関係のないことをやっていますから(笑)。
テリー ああいう斬新なイントロやアレンジは、どんな時にひらめくんですか。
船山 それ、よく聞かれるんですけど‥‥今となっては、まったく覚えていないんですよ。特に70~80年代の頃の仕事って、常に瞬間芸だったものですから。
テリー 瞬間芸!? ちなみに、どういう感じだったんですか。
船山 当時シングルのレコーディングは必ず2曲、1日で録音していて、まずは前の晩に打ち合わせをします。