「『本当のことを言うなよ』っていう世の中自体がやばくないですか?」 ハライチ・岩井が切り取る日常と世の中 (2/6ページ)

新刊JP

――岩井さん自身は、つらいと思うことはありますか?

岩井:ないですよ。ないって言わないといけないので(笑)。

――変換というか、起こったことの解釈のユニークさは岩井さんならではだと思います。アートスペースのエピソードで「現代アートは大喜利に似ていると思っている」と書かれていますけど、日常生活の解釈もそれに通じるというか、どの視点で切り取るかによってここまで見方が多様になるんだなと思いました。

岩井:そうですよね。だから、もしかしたらつまらないものは無いのかもしれません。今、自分はつまらない出来事に巻き込まれているっていうのは分かるじゃないですか。でも、それが、つまらないままで終わって「つまらなかったね」というのは、「お前がつまらないだけなんじゃない?」という風にも言えますよね。

――つまらない考え方をしてしまっている。

岩井:そうです。つまらないままにしてしまっている自分がいる。

――ただ、今は自分から面白いことや事件を起こしていこうという風潮もあります。

岩井:そういうことではないんですよ。つまらなそうな出来事をいかに面白く思えるか。例えば「面白いことを起こそうバスツアー」があるとするじゃないですか。でも、そこでめちゃくちゃ面白いことが起こらないと、そのバスツアーは失敗ですよね。バスの添乗員さんが噛んだ。それだけじゃ誰も面白いと思わない。でも、もしそのバスツアーが梨狩りツアーだったらどうでしょう。添乗員さんが噛んだというだけで面白いエピソードになる。
意識して面白いことを起こそうと思って出かけると、そこには地獄が待っていますよ。

■「本当のことを言うなよ」っていう世の中自体がやばくないですか? ――世間では、平凡なものの中に面白さを見出す余裕がないように思えます。
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