年商100億企業を7社 成功経営者が語る「不利益を生む習慣」 (1/2ページ)
事業を成功させている実業家や一流スポーツ選手、芸術家…。
どんな分野でもトップを走る人の言葉には説得力がある。それは彼らの言葉が「一流同士にだけ通じ合う」というものではなく、私たち皆に通じる普遍性を備えているからだろう。
『たとえば、謙虚に愚直なことを継続するという習慣』(扶桑社刊)の著者でシーラホールディングス会長の杉本宏之氏はまぎれもない「成功者」だが、ここまでの人生は波乱万丈である。不動産業界で起業をするとわずか48カ月で上場。しかし、それから4年後の2009年にリーマンショックのあおりで資金繰りが悪化し、会社は民事再生を受け、杉本氏も自己破産した。
アップダウンの激しいジェットコースターのような実業家人生だが、こうした挫折や失敗の経験は杉本氏の言葉に大きな影響を与えている。
■分からないことを分かるふりをすることは最も愚行である。私たちはさして知らないことについて、恰好をつけたいための虚栄心から知っているふりをしてしまうことがしばしばある。日常の場面では「分かったふり」が問題になることはほとんどないかもしれないが、ビジネスは別だ。
杉本氏はかつて千葉県内のアウトレットモールを買収したことがある。そのモールは近くにできた別のモールにテナントを奪われ衰退気味だったが、そのぶん32億円と、開発費の4分の1ほどの価格だった。「しっかりと運営すれば立て直せる」と判断した杉本氏は、深く調べることなく買収を決めてしまったという。
結果的にこの買収は大失敗。テナントの流出は止まらず、地域の人口減少もあって客足は遠のくばかり。最終的には行政に無料で明け渡したという。門外漢だったアウトレットモールの運営について、調べたり人に助言を仰いだりしていれば、結果は違ったかもしれない。
「分からないことを分かるふり」をすることは不利益になる。
以降「分かるふりをしないこと」を、杉本氏はコミュニケーション面で最も大切にしているという。