大気中の二酸化炭素と水から作ったお酒が誕生。植物の光合成をヒントに開発されたウォッカ(アメリカ) (2/3ページ)
1瓶のライフサイクルで、空気から0.45キロの二酸化炭素が吸収されるそうで、これは8本の木が完全に成長したときに相当する吸収量だ。
小麦やジャガイモなどを発酵させて作る従来のウォッカでは、その過程で5.9キロの二酸化炭素が排出される。だが、Air Co.ウォッカは逆に二酸化炭素を吸い取ってくれるのだ。
image credit:Air Co.
・アルコール度数40%、純度が高くピュアな味わい
Air Co.ウォッカを作るには、太陽発電で動く小さな機械で空気からCO2を取り出し、それを炭素と酸素に分離し、取り出した分子を金属触媒で混ぜ合わせ、エタノールに変換する。
この10%のエタノールは特製の蒸留器で96.5%にまで蒸留され、さらに企業秘密だというプロセスで精製される
こうしてアルコール度数40%のウォッカが完成する。
Air Co.ウォッカは二酸化炭素を削減してくれるばかりか、従来のお酒に比べると純度が高い。発酵した穀物に由来する不純物が一切含まれていないからだ。
image credit:Air Co.
現時点ではニューヨーク市内の厳選されたバーやレストランに1瓶あたり65ドル(約7000円)程度で卸されているだけだが、来年には販売を拡大する予定だそうだ。
またお酒だけでなく、空気から作られたエタノールを利用して、カーボンネガティブな香水や家庭用洗剤といった製品の開発も検討されているとのこと。