なぜココに?新潟にいながらにして中国を味わえるエリア「西山ふるさと公苑」

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なぜココに?新潟にいながらにして中国を味わえるエリア「西山ふるさと公苑」

新潟県長岡市から柏崎市に向かう途中、中国風の建物が目立つところがあります。この建物は「西遊館」といい、前方には西遊記の物語の一部を再現した中国風庭園「西遊庭」が広がります。実はこの建物と庭、「西山ふるさと公苑」という道の駅の一部です。

それにしてもどうして、この道の駅は中国風の建物の作りなのでしょうか。

話は1972年に遡ります。同年、日本と中国は日中共同声明に調印。終戦後国交の途絶えていた日本と中国の間の国交が正常化しました。

このときの日本側の代表は田中角栄元首相。そして、中国側の代表は周恩来元総理でした。この二人がにこやかに握手をしている様子が撮影された写真を、日本史の教科書で見た記憶のある読者も多いのでは?

実は新潟県柏崎市西山町は、この田中元首相の生家があった地域で、西遊館と西遊庭のすぐ付近には「田中角栄記念館」もあります。

西山町は1995年、日中共同声明の際のご縁から、周恩来の生家があった江蘇省淮安市と友好都市提携を結びました。この中国風建物と庭園は、その淮安市から贈られた資材を使って中国風に作られたものです。

贈られたのは建物の資材だけではありません。中国風の文物なども併せてこの地に運び込まれました。それらは現在、西遊館の中に展示されており、開館時は誰でも見学することができます。

それではなぜ庭に飾られているのは西遊記の彫像なのでしょうか。

早速柏崎市役所の西山町事務所に聞いてみました。そこの職員さんの話によると、『西遊記』の著者として知られる呉承恩は淮安市の出身。そのような事情から、庭に飾られている彫像や建物の名前は『西遊記』がモチーフになっているのだとか。しかも、この彫像群、ちゃんと西の方を向いているのですよ。

現在も様々なイベントが行われ、地域の人たちに大切にされている西遊館と西遊庭。新潟にいながらにして中国の雰囲気を味わえるユニークな場所なのでした。

淮安市から贈られた銅鐘が吊り上げられている「淮音亭」

西山ふるさと公苑 新潟県柏崎市西山町坂田717−4 開館時間:午前9時~午後5時 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、12月28日~翌年1月4日 西山ふるさと公苑

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