歴代総理の胆力「岸信介」(2)笹川良一が仰天したエピソード (2/2ページ)
「やはり、“巣鴨”入りしていた笹川良一(元・日本船舶振興会会長)と岸が雑談したときがあった。時に岸は50歳に手が届いていたが、『どうも夢精してかなわんのだ』と言い、こちらも豪胆で鳴っていた笹川をアキレさせた。明日の命が分からぬ身で夢精とは、岸がいかにハラがすわった人物かが分かる」
「巣鴨」釈放、パージ解除を待った岸は、待ってましたとばかり「日本再建連盟」を結成して会長におさまり、憲法改正と反共政策を提唱した。しかし岸にとって本来の目標だったこの憲法改正は、新日米安保条約成立過程での国論二分の混乱の中で、手をつけるすべはまったくなかったのだた。
■岸信介の略歴
明治29(1896)年11月13日、山口県生まれ。第一高等学校入学後、養子先の岸に改姓。A級戦犯容疑で逮捕、巣鴨拘置所収容・釈放。公職追放・解除後、改憲を目指す「日本再建連盟」会長。昭和32(1957)年2月、60歳で総理就任。昭和62(1987)年8月7日、90歳で死去。
総理大臣歴:第56.57代1957年2月25日~1960年7月19日
小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。