「当然」か「不要」か 会社が社員に課す「ノルマ」の功罪 (1/2ページ)
「〇〇さん、今月の売上どうなってる?」
「数字を持って初めて一人前」
ほとんどの企業の現場では、こんな言葉が飛び交っているはず。話題にしているのは、そう「ノルマ」だ。
ノルマを達成することに心から燃えられる人ならば何も問題はない。しかし、ノルマを重圧に感じたり、ノルマを達成するために働いている自分に嫌気がさしている人も、きっといるはずだ。そして、こんな疑問もわいてくる。
「ノルマを課す管理方法は、企業にとって有益なのだろうか?」
■社員にノルマを課すのは逆効果 その理由とはそもそも、従業員にノルマを課す企業の思惑とはどのようなものか。
そこには当然ながら業績の向上があり、従業員を管理したいという思惑もある。ただ、従業員をノルマで縛りつけることで、業績は上がるのだろうか?
『ノルマは逆効果 ~なぜ、あの組織のメンバーは自ら動けるのか~』(藤田勝利著、太田出版刊)では、この問いに対して「ノルマは逆効果」と言い切り、数値目標で従業員を従わせても長期的には企業の利益にはならないとしている。
会社として従業員にノルマを負わせることにはメリットもある。課せられた数値目標を達成するためにはどうすればいいのかを考えさせ、実行させることによって、営業であれば売るためのスキルは身についていくだろう。
ただ、こうした働き方は決して「主体的」とは言えない。ノルマとは、本人の意志とは別のところで課された義務だからだ。義務を果たすための行動を主体的とは呼ばない。そして、こうした働き方を長く続けることはむずかしい。
社員はノルマをこなすために入社するわけではない。その人なりにその会社でやりたいことがあって入社してくる。そうした人材にノルマだけを与え続けると、次第に疲弊し、モチベーションは失われる。
人材それぞれへの影響だけではない。本書では、ノルマを課すことの組織への悪影響についても指摘している。
ノルマを追うことによって、それ以外のことへの関心度は下がる。最終的に行きつくのは「ノルマさえこなしておけばOK」という思考だ。