世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第350回 アベ・ショックが始まった(前編) (3/3ページ)

週刊実話



 10月から、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳までのすべての子供たちの利用料が無料になった。さらに、住民税非課税世帯は、0歳から2歳までの利用料も無料。

 無料とはいっても、政府が代わりに支払っているのだが、いずれにせよ該当世代の子供たちを持つ世帯は、これまで数万円という単位で毎月、必ず支払っていた利用料が「ゼロ」になったのである。結果、消費者物価の統計でいえば、「教育費」が下がり、インフレ率の上昇を抑制したのだ。

 というわけで’19年10月のインフレ率は、「持家の帰属家賃を除く総合」でわずか+0.3%の上昇で済んだ。名目賃金の上昇率を、インフレ率が下回り、実質賃金が+0.1%となったのだ。

 もっとも、上記はあくまで幼児、乳児を持つ世帯の話で、そうではない世帯は無関係である。普通に実質賃金が下落していることだろう。

 いずれにせよ、筆者が以前から警告していた「アベ・ショック」が始まった。筆者は、政府の増税対策があるため、本格的なアベ・ショックは’20年7月(キャッシュレス決済のポイント還元が終わり、再増税)以降になると予想というか「期待」していたのだが、甘かったようだ。

 現在の筆者にとっては、正直、アベ・ショックが始まったことよりも、政府が「危機を見ないふりをしている」ことに恐怖を感じている。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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