世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第350回 アベ・ショックが始まった(前編) (2/3ページ)

週刊実話

10月の消費悪化は、台風のせいだ」と、相変わらずお天気のせいにして、現実を見ようとしない。

 ’00年以降の実質消費について、変動率ではなく指数そのものをグラフ化した。

 21世紀に入って以降、日本の実質消費は漸減が続いていた。消費税という「消費に対する罰金」が存在していた以上、当たり前なのだが、実質消費指数は’14年3月に跳ね上がり(駆け込み消費)、’14年4月に大きく落ち込んだ。

 その後、政府は「V字回復する」と寝言を言っていたが、我々は「L字型低迷に陥る」と警鐘を鳴らした。どちらが正しかったか、分からない人は目玉を取り換えるべきだ。

 そして、’19年9月に、やはり多少の駆け込み消費があり、10月に駆け込み消費分を上回る落ち込みになった(’20年7月1日に、ポイント還元がなくなり、再増税になってしまうため、再度、同じ軌跡を描くと予想)。

 注目点は、’19年10月の実質消費指数の水準が、’14年4月を「下回ってしまった!」という点である。’19年10月、我々は’14年4月以上に、実質的に消費できなかったのだ。より分かりやすく書くと、
「’14年4月よりも、財やサービスを買う量を減らした」
 こととなる。

 ちなみに、消費税を増税すると、毎度毎度、実質賃金が大きく下がる。何しろ、消費増税は強制的な物価の引き上げになる。物価が上昇しても、給料は十分に上がらないため、実質賃金は下がる。

 ところが、今回の増税では、10月の実質賃金が対前年比+0.1%になるという珍現象が見られた。もちろん、これには理由がある。

 実質賃金は、名目賃金の変動からインフレ率(物価上昇率)の影響を排除することで求める。ここでいうインフレ率とは、具体的には「持家の帰属家賃を除く総合消費者物価指数」のことだ。

 ’19年のインフレ率は(持家の帰属家賃を除く総合)は、対前年比+0.3%。’14年4月には、同インフレ率がいきなり4月に+4%を超える上昇になったのと比べると、随分と穏やかな数値である。

 ’14年4月と、’19年10月の違いは、何に起因するのだろうか。もちろん、冒頭の幼児教育・保育の無償化の影響である。

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