親が老人ホームに入り自宅が空き家となる場合、その自宅はどうすればよいか (1/2ページ)
前回述べた所有者不明の土地が増えているという問題と同程度に重大になっているのが空き家問題だ。2019年の税制改正によって空き家特例が見直されたが、そもそも空き家特例(所得税法第33条他)とは、2016年の税制改正において創設されたもので、1981年5月31日までに建築された家屋について、所有者が亡くなり空き家となっていた場合、相続後に相続人が当該空き家を現行の建築基準法に準拠した耐震構造にリフォームして売却するか、当該空き家を解体し更地にして売却した場合、譲渡所得から三千万円が控除されるという制度だ。
■空き家特例と老人ホームへの入居の関係
ところが相続開始前から老人ホームに入居し、既に空き家となっていた場合には当該制度の適用を受けられず、創設当初からこれが問題となっていた。今回の改正では一定の要件を満たせば、被相続人が亡くなる前まで老人ホームに入居していても、当該制度の適用を受けることができるようになった。
■老人ホームに入居していても空き家特例が適応となる要件
一定の要件とは次のとおりだ。
(1)被相続人が、要介護・要支援認定等を受けていたこと。
(2)老人ホーム入居直前までに特例の対象となる家屋に居住していたこと。
(3)老人ホームに入居してからも、家屋に被相続人の所有物を保管していること。
(4)被相続人が老人ホームに入居した後、当該家屋に第三者が居住し、事業用家屋として利用していないこと。
これ以外にも想定される状況により、要件を満たせない場合がある。例を挙げると、被相続人が自分の子供の家に転居し、暫く経過してから老人ホームに入居した場合だ。この場合は特例の適用を受けることはできない。また、家屋のリフォームや解体は譲渡前に実行した場合のみ特例の適用を受けることができるので注意が必要だろう。
■空き家になる可能性があるならば売却も選択肢
近年少子高齢化が進行していて、人口減少も著しくなってきている。空き家が増加していくことは避けられないだろう。そのまま放置していれば、治安悪化や経済の停滞等更に大きな問題になっていくのは明白と考える。