長嶋茂雄×王貞治「1964年の肉声感動インタビュー」 (2/2ページ)

日刊大衆

良くても悪くてもやらなくちゃいけないし……〉と、プロ野球選手としての覚悟を吐露。さらには、〈勝負の世界に武士の情なんてない。……試合が終わってからなら別だけどね〉と、勝負師の顔を覗かせていた。

 ちなみに、前年に長嶋が獲れなかった残りの一冠、それは王が獲得したホームラン王だった。

 一本足打法が完成し、スラッガーとして頭角を現していた王にとって、長嶋は大先輩であると同時に、ライバルでもあった。〈チョウさんは非常に充実してますよね。精神面でも
技術面でも……。僕ら、やっている以上、負けたと思っちゃおしまいだからね。そういう相手がいるからこそ頑張るんです〉と、王は長嶋への静かな闘志を語っている。

 2人をよく知り、巨人のチームメートでもあった野球評論家の黒江透修氏は、当時のONをこう振り返る。

「俺はこの年に入団したんだけど、ミスターはすでにスターで、一目置かれる存在だった。王も俺らと同じように“偉大な先輩”と思っていたんじゃないかな」そんな距離感は、2人を特別な存在にした。

「王さんにしてみれば、ミスターは仰ぎ見るような先輩。でも、ミスターにとって王さんは“かわいい後輩”でした。つまり、ONはいい意味で対等じゃなかったんです。だからこそ友情が成立し、ONという英雄が並び立てたんでしょう」(当時を知る元番記者)

 なお、この年のシーズン、王は打点と本塁打の二冠王に輝き、それまでの自己最高となる成績を残している。

「親しい知人が王さんに、現役時代で一番心に残るシーズンを聞いたとき、“64年”と答えたそうです。その理由は、“すべての部門で長嶋さんを上回れたから”。王さんにとって、長嶋さんはとてつもなく大きな存在だったことが分かります」(球界関係者)

 偉大な先輩と、やっと肩を並べられる選手になった。64年は、“世界の王”が生まれた年だったと言えるかもしれない。

 1月4日発売の『週刊大衆』1月20日号ではONの二人の、恋愛や東京五輪への思いも掲載している。

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