古代から認識されていた体外離脱を脳のバグや魂の離脱以外の観点から考える (3/4ページ)
深層意識の反映など深層心理学的に解釈できそうな話ではあるが、真実はともかくそのような体験をすれば確かに世界観は大きく変わりそうである。
■オウム事件は負の事例となった
負の事例になるが主観的体験がいかに強力かはオウム事件でも明らかだ。オウム真理教は元々ヨガを修練する集まりで、瞑想により変性意識状態に導く技術に長けていたようである。理系エリートも多かった信者がオウムの教理に心酔したのは教祖の教えに従った結果、神秘的な現象を直接「体験」したからである。自分を神秘体験に導いてくれた教祖に心酔したのであって、教祖が空中に浮くなどという客観的事実(とされる)だけではそこまで心に響くことはないだろう。そんなことを目撃したところでスプーン曲げとさして変わらない。驚きや感動は一夜で醒めるだろう。しかし体験はそうはいかない。教祖の教えや奇跡以上に影響を及ぼしたのが直接主観的な神秘「体験」であった。
■ヘミ・シンク
危険な一面もある宗教的要素を除いた工学的なアプローチがある。ロバート・モンロー(1915〜95)という超心理学の研究者は「ヘミ・シンク」という音響技術を開発した。ヘッドフォンを用いて左右の耳に異なる周波数の音を聴かせると、脳幹で統合され左右の周波数に差が生まれて第3の音「バイノーラルビート」として感知される。これは脳波として検出されるオカルトでもなんでもない生理現象だが、この脳波は脳が非常にリラックスした状態に発する。そしてバイロケーション(Bilocation)と呼ばれるいわゆる変性意識状態を生み出し体外離脱を誘導するというものだ。離脱体験が心霊・脳内いずれか現象であろうと、なんらかの主観的体験を実現しやすくなるのは確かだろう。
この体験を例えば末期患者へのスピリチュアル・ケアや遺族のグリーフワークに使うことはできないだろうか。実際にヘミ・シンクのCDには終末期患者のためのものが提供されている。体外離脱体験をすることで死の向こう側を実感でき、安らかな気持ちで旅立つことが期待できるという。
■実用的視点で考える
体外離脱はオカルトやスピリチュアルに関心のある人間にとっては一度は体験したい現象である。