歴代総理の胆力「池田勇人」(2)吉田茂に目をつけられた「出世魚」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 放埓な学生時代、自らの難病と妻の死、そして余儀なくされた大蔵省退官というこれ以上ない絶望感、そして持ち前の明るい性格の中で、池田の人に好かれるという人間的魅力は磨かれていったようである。

 その池田を買ったのが、時の最高権力者・吉田茂総理であった。吉田の目に止まったことで、以後、池田は「出世魚」の異名を得るのである。

 復職した大蔵省を事務次官で退職したあと政界入りした1年生代議士の池田を、吉田はなんと一気に大蔵大臣にしてしまったのであった。

■池田勇人の略歴

明治32(1899)年12月3日、広島県生まれ。京都帝国大学法学部卒業後、大蔵省入省。難病を得て休職。復職後、大蔵次官。議員1年生にして、蔵相。昭和35年7月第一次内閣組織。総理就任時59歳。昭和40(1965)年8月13日、ガンのため死去。享年65。

総理大臣歴:第58~60代 1960年7月19日~1964年11月9日

小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。

「歴代総理の胆力「池田勇人」(2)吉田茂に目をつけられた「出世魚」」のページです。デイリーニュースオンラインは、内閣総理大臣小林吉弥池田勇人吉田茂佐藤栄作社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る