伊藤健太郎で『スカーレット』惨敗視聴率脱出か、鍵は母親・戸田恵梨香 (2/2ページ)
喜美子と八郎夫妻が静かに、それでも確かにぶつかり合う場面。八郎に反発した喜美子が、笑いながら作陶するシーンは見ものだった。見方によっては狂気的だが、こんな場面すら爽やかに、そしてコミカルに演じてみせる戸田恵梨香の演技力が光った。
昨年１０月スタートの『スカーレット』も折り返しを迎え、あらためて思うのは戸田恵梨香の演技力の高さだ。このアバンタイトルひとつとってもそうで、地味で静かな演技ながら、喜美子の悲喜こもごも、心の内を分かりやすく視聴者に伝えている。
■鍵になる戸田恵梨香の母親役
そして、これから戸田恵梨香は、女優としての新境地を発揮すること確実だ。というのも、現在も登場している息子の青年期として、２月から人気若手俳優の伊藤健太郎（２２）が登場するのだ。ドラマが終わる３月までの２か月間は、“母”というこれまでになかった役柄での、大きな見せ場が待っている。
近年の朝ドラは２０１３年下半期『ごちそうさん』の菅田将暉（２６）や、２０１７年下半期『わろてんか』の成田凌（２６）などヒロインの息子に出世株の若手を起用し、母親となったヒロインとの熱いやりとりが話題となっている。昨年『大恋愛〜僕を忘れる君と』（ＴＢＳ系）で若年性アルツハイマーになってしまう産婦人科医という難しい役どころを見事に演じた戸田が、伊藤健太郎とどんなやりとりを見せてくれるか。３１歳、女盛りを迎えた戸田恵梨香が見せる新境地が、『スカーレット』視聴率アップの鍵となるだろう。（朝ドラ批評家・半澤則吉）
