終活ブームで火がついた生前整理による家財や不用品の買取サービスと中古着物

心に残る家族葬

終活ブームで火がついた生前整理による家財や不用品の買取サービスと中古着物

終活という言葉が一般的になり、生前整理に取組む人が増えるのに伴い、急速に拡大しているのが家財や不用品の買取りサービスだ。これまでは宝飾品やバッグなどの高級ブランド品、骨董品などが買取り品として一般的であったが、最近人気なのが「着物」だ。積極的にテレビコマーシャルを打つ買取り事業者も登場している。この着物買取り市場の急速な拡大には、ある観光地の事情が影響しているのだという。

■「着物で散策」が人気

日本で最も有名な観光地といえば京都。京都府の調査によれば、2018年度に京都市を訪れた観光客は5275万人。6年連続で5000万人を突破している。京都市を訪れる観光客に近年人気なのが「着物を着ての散策」。修学旅行生や若い女性グループ、カップルなどに特に人気で、清水寺など有名観光地の周辺には数多くの着物レンタル店が軒を連ねている。インスタ映えを重要視する若い女性の心理をうまく活用したビジネスと言えそうだ。

この着物レンタルは10代~20代の若い年齢層を主な対象とするビジネスのため、彼女らでも支払える手ごろな料金なのが特徴だ。レンタル店のホームページによると小物込みで1日2000~3000円といったところが相場なようだ。

■仕入れ先は着物買取り事業者

こうした料金でのレンタルを可能にするために不可欠なのが「低価格での仕入れ」。そのために活用しているのが、着物買取り事業者からの仕入れルートだ。これにより安価に、大量にレンタル用着物を確保できる。

一方で、買取り事業者側からすれば転売先の多くは着物レンタル事業者になるため、どうしても薄利多売型のビジネスになりがちである。このため着物の実際の買取り価格は数百円程度になることも少なくないとか。「高値で買取る」といった印象を打ち出す広告に対し「虚偽ではないだろうが、実態と乖離しすぎではないか」といった不満も実際に利用した人から上がっている。

また、買取り事業者によると「自宅に着物があるのは、ある程度の年齢以上の人の家。そうした家はどんどん少なくなっており、かつてほどの量の買取りは難しくなってきている」という。

■着物以外の形で流通も

着物関係者は、京都でのレンタル体験で若い世代が着物に興味をもち、結果的に着物の消費・流通量が増え、着物リサイクル市場も活性化することに期待をよせている。しかし、このままでは、買い取れる着物が減り、これまでのような低料金での着物レンタルビジネスが成り立たなくなる危険性も考えられる。そうした点を受けて買取り理事業者は、着物をそのまま着物として再流通させるのではなく、解体して布地に戻し、小物など別の形に再生するなどの新たな流通ルートの確立にも期待を寄せている。

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