新たな発見によりイースター島のモアイ像についての理解が大きく変わる (2/4ページ)
しかし、この採石場に残された400体近いモアイ像のいくつかは土に埋められ、砦のようながっしりした岩の構造物で支えられている。
これらのモアイ像はもともとここに設置されていたものなのだ。採石場自体が島民にとって神聖な場所であったということを示しているという。
島のほかの場所の土は、急速に疲弊・衰退して、植物に必要な栄養素がなくなってしまっていました。
でも、この採石場では、採石作業の過程で出る基岩の小さなかけらが常に入り込むため、水分や自然の肥料、栄養素がフィードバックされるシステムができあがっているのです
Easter Island Statue Project
・豊かな土壌を持つ採石場は農業の聖地
土壌の豊かさもさることながら、採取サンプルの中にバナナ、タロイモ、サツマイモ、カジノキなどの古代の作物の痕跡が見つかった。
これらの証拠はすべて、ラノ・ララクの採石場がモアイの生産地だっただけでなく、当時のラパ・ヌイ社会が必要な食物を育てるためにここの豊かな土壌を活用した、少ない労働力で生産性の高い耕作地だったことを示している。
こうしたデータや、ラノ・ララクの儀式性、巨石の一大原料地であることを考えると、大胆な新説が出てきます。