政府と暴力団がつながり市民を襲撃 香港に住む日本人が見た民主化デモ (2/3ページ)
ここから2020年の現在に至るまで、市民と政府の民主化をめぐる戦いが繰り広げられている。
日本でも応援と批判の声さまざまが上がっているが、デモの現場で起きていたことはなんだったのだろうか?
香港在住の日本人で、200万人デモから参加し続けている秋田浩史さんが手がけた『漫画 香港デモ 激動!200日』(倉田徹解説、TOA漫画、扶桑社刊)は、その生々しい様子を追体験することができる。
デモで激しいぶつかり合いが起きている現場は、一言で言えば「地獄絵図」だ。デモ隊の中でも特に過激な暴力も辞さない「勇武派」による破壊活動だけではない。2019年7月21日、中国政府がデモ鎮圧のため、「三合会」という地元の暴力団(香港では「黒社会」と呼ばれる)を使ってデモ参加者や現場となった元朗駅に居合わせた人を襲撃したという疑いがある。
なぜそんなことをするのか。デモ鎮圧のために人民解放軍を出動させると、中国政府は世界中から非難と制裁を受けることになる。だから、黒社会にデモ隊を襲撃させたのだ。ちなみに、襲撃のあった日の夜、香港の親中派議員である何君堯氏が暴力団と握手を交わす動画が捉えられており、非難の声があがっている。
また、襲撃があった際、現場の市民たちは警察に通報したがつながらず、直接警察署まで行って訴えた住民も追い返されたという。さらに警察幹部と暴力団メンバーが話し合う動画などが撮影されるなど、もはや警察すら信用できない存在になっているのが、現場の生々しい現実なのだ。
■分断がそのまま表れるソーシャルメディア2011年に起きたアラブ諸国の民主化運動で、市民たちを束ねたのがソーシャルメディアだった。この香港の民主化デモにおいては、香港人同士の間に「デモ支持派」と「警察派」の分断がソーシャルメディア上で見られるようだ。
2019年8月に行われた香港のインターネット調査では、「最近、政治的意見の対立で友達と喧嘩した」という回答が45%にのぼり、Facebook上では「unfriend」(友達関係を切ること)が日常になっている。