政府と暴力団がつながり市民を襲撃 香港に住む日本人が見た民主化デモ (3/3ページ)

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また、ソーシャルメディア上の論争に日本人が巻き込まれることもある。現地デパートに出店しているショップの日本人スタッフがFacebookに「デモのたびに店が閉店になり売り上げが落ちて困る」「勇武派の警察への攻撃や破壊活動はもはや暴力で認められない」など、デモの批判を書き込んだところ、その投稿内容がシェアされ、ネット上で不買運動が呼び掛けられたのだ。

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デモは激化すると、交通はマヒし、市民の生活に大きな支障が出る。
警察の武力行使のレベルは上がり、2019年10月1日には「相手が鉄製で攻撃性のある武器を持っていた」ということから実弾発砲が行われた。撃たれた高校生は重傷を負ったが、彼が持っていた武器はプラスチック製の棒だった。
そして、2019年11月、このデモで初めての死者が出る。

興味深いのは、解説を執筆した政治学者の倉田徹氏による「リーダーなきデモ」という指摘である。
破壊活動や警察と衝突をする「勇武派」は、全身黒ずくめの服に、ゴーグル・ガスマスクを装備している。このシンボリックないで立ちは確かに目立つものの、特定の誰かを引き立てるものではない。
また、デモ参加者たちはネット上で議論し、情報を交換して瞬時に運動を形成し、臨機応変に姿を変える。リーダーがいないこのデモは、全く新しい形のデモだと倉田氏は述べる。

『漫画 香港デモ 激動!200日』は香港民主化デモの複雑な経緯や、生々しい現場を漫画で知ることができる一冊。現地でしか分からないことが、この本に詰まっている。

暴力は断じて許されるものではない。だが、暴力がなければ成す術がないという事情も、この本からは見え隠れする。暴力が暴力を生む。その連鎖は片方が屈するまで続いていく。
ここで掬い上げられている香港の人たちの言葉を私たちはどう受け止めるべきだろうか。それを、読者ひとりひとり考えることが、民主主義の成熟のために必要なのだろう。

(金井元貴/新刊JP編集部)

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