政府と暴力団がつながり市民を襲撃 香港に住む日本人が見た民主化デモ (1/3ページ)

新刊JP

『漫画 香港デモ 激動!200日』(扶桑社刊)
『漫画 香港デモ 激動!200日』(扶桑社刊)

日本で書かれ、日本で発売されたのにも関わらず、日本人が知らないところで大きな人気を集めている本がある。

その香港を舞台にした一冊の本は、2019年末に日本で出版された。担当編集者によれば、香港のインフルエンサーなどの拡散によって現地で話題になり、親香港の在日中国人や訪日香港人から「爆売れ」とも呼べるような大きな反響があるという。本のテーマは、「2019年香港民主化デモ」だ。

2019年夏、香港で大規模な民主化デモ運動が起きた。
きっかけは「逃亡犯条例」改正案採決に対する反対運動である。

逃亡犯条例とは、香港以外で罪を犯した容疑者をその当該国に引き渡すことができるようにする条例だ。
中国はイギリスの統治下にあった香港に対して「一国二制度」を適用し、高度な自治を認めている。その一方で、近年は中国政府による香港への介入が見受けられ、2012年の国民教育法に反対するデモ運動や、2014年の雨傘運動など、たびたび政府と市民の間で衝突が起きていた。
そして2019年、台湾での殺人事件をきっかけに逃亡案条例の改正が審議に入った。改正内容は中国本土、マカオ、台湾と香港の間で、容疑者の引き渡しが可能になるというものである。これに反発したのが、香港に住む市民たちだった。

■人口750万人の香港で200万規模のデモが発生

罪を犯した人を引き渡すことに、なぜこんなにも市民から反対の声が上がるのか?
それは、改正によって、香港市民が中国当局の取り締まり対象になる恐れがあるからだ。

これは一国二制度を根幹から揺るがす事態であり、言論をはじめとした自由が失われる危険性がある。2015年には中国共産党に批判的な本を置いていた香港の書店店長が相次いで失踪・拘束される事件が起きており、香港における言論の自由が揺るがされていたのも事実だ。

2019年6月9日に行われた3回目の大規模デモでは103万人が参加。中国返還後、過去最大のデモとなった。しかし、それでも動じない政府に対して、6月16日、香港史上最大の200万人が参加するデモが行われた。これは人口750万人の香港において驚異的な数字だ。

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