かつては「幸せな気分になる薬」だったが… 人類の歴史を変えた「薬」たち (3/3ページ)
本書ではジェンナー以前の1700年代における「ワクチン接種」への道のりを克明に辿りつつ、今のワクチンを巡る現状についても触れている。
ヘイガー氏は「ワクチンの義務化が公衆衛生のためになることは明らかだ」と反対活動に対して牽制し、その歴史を通してワクチンの重要性を提示するのである。
章を追うごとに現代と近づいていき、エピローグで語られるのは「薬の将来」だ。
一大ビジネスと化している製薬業界において、自社医薬品を売るための様々な宣伝活動がなされている一方で、その裏にあるデメリットは伝わりづらくなっており、医療そのものへの信頼が危うくなることをトーマス氏は危惧する。
「あらゆる科学的発見は諸刃の刃で、身体的にも心理的にも、利益には間違いなく危険が結びついている」
繰り返しの引用となるが、この言葉は肝に銘じておくべきだろう。
その中で何が最善の判断となるのかは、これまでの歴史が教えてくれるのではないだろか。
(新刊JP編集部)