「節税対策」だけではダメ 相続専門税理士が指摘する相続の落とし穴 (2/3ページ)

新刊JP

そうすると他の二人には不公平なんじゃないかという気持ちが出てきて、それは自分だけでなく妻にも伝染してしまう。最悪の場合は家族対家族の対立になってしまったりするんです。

――親族同士のお金のトラブルは避けたいですよね。

木下:家族間でもめるともうぐちゃぐちゃです。両親のどちらかが亡くなった場合は、まだもう片方が生きているのでそんなにおかしなことにはならないのですが、そちらも亡くなった時の「二次相続」がもめやすい。

たとえば、先にお父さんが亡くなったとしたら、兄弟の誰かがお母さんにうまく取り入っていつのまにか自分に有利な遺言を書かせていたり……。

――そんな話が現場であるんですか?

木下:そんなのばっかりですよ。相続になると財産目録を作って故人の財産を明らかにしたうえで相続税の計算をするのですが、財産目録を見ながらみんな「自分が何をもらえるか」と考えますからね。それで、たとえば「自分は長男だし弟たちにちょっと譲ろうか」などと考えようものなら、奥さんが怒る。

――タイトルにある「ホントは怖い」は、「相続について知っておかないと怖い」というだけでなくて、「節税対策だけ考えていると親族内でもめごとが起きやすくなりますよ」というメッセージでもあります。これはどういうことなのでしょうか?

木下:ひと言でいえば「シワが寄りやすい」んです。極端な話ですが、自分の弟が家を買うからということで、親から生前贈与で3,000万円もらっていましたとしましょう。住宅を建てる目的でお金を贈与する際には非課税枠があって、住宅の種類や契約日にもよりますが3,000万円まるまる非課税で贈与できることがありますから、確かに節税にはなります。

だけど、兄である自分はすでにマンションを買っていてローンを払っている場合は、同じように3,000万円生前贈与しようとなっても非課税ではありません。だからといって自分には何もなしだったら到底納得できる話ではないでしょう。

――節税はできたけど、不公平じゃないか、と。

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