「節税対策」だけではダメ 相続専門税理士が指摘する相続の落とし穴 (1/3ページ)
人の子である限り誰でも避けられないのが親の死であり、その先にある相続だ。
遺産相続というと、多くの人の頭に浮かぶのは「相続税」であり、それだけに「うちは資産らしい資産がないから、相続対策はしなくていい」と考えがちだが、これは間違い。まして、「うちは家族の仲がいいから相続で争うことはない」という考えも禁物だ。
誰もがいつかは直面する相続にどんな備えをして、どう乗り切ればいいのか。また「もめる相続」と「もめない相続」の違いはどこにあるのか?
今回は『ホントは怖い 相続の話』(ぱる出版刊)の著者で相続専門税理士の木下勇人さんにお話をうかがった。
■相続には「節税」より大事なことがある――『ホントは怖い 相続の話』についてお話をうかがえればと思います。私の両親はまだ元気なのですが、相続の話は他人事とは思えません。
木下:相続のことって、自分がいざ相続人にならないとわからないんですよね。ご兄弟はいらっしゃいますか?
――弟が二人います。私と上の弟は結婚していて、ともに子どもはいません。下の弟だけ独身ですね。
木下:それであれば、今はまだ相続でもめるような状況ではないかもしれませんが、いずれ全員結婚して子どもができて、これから学費でお金がかかるということになったら、やっぱり相談に行くのは親のところなんですよ。
でも、自分の知らないところで弟が子どもの学費を親にもらっていたら、やはり気持ち的に穏やかじゃないですよね。
――それはそうですね。「なぜそっちだけ?」となると思います。
木下:相続でもめるのって本当にそれだけのことなんですよ。要は兄弟の間で「不公平なんじゃないか」というわだかまりができてしまう。
両親からしたら孫はかわいいですから、三人兄弟のうちどこかの家で初孫が生まれたらお小遣いをあげるでしょう。