情けは人の為ならずは本当だった。誰かのために行動すると身体的な痛みが和らぐことが発見される (3/4ページ)
一方寄付を行わなかった人にも同様の電気ショックを与えたところ、電気刺激に強く反応した。「自分の行為が子供たちの助けになった」と信じている人ほど、痛みに対する脳の反応も小さかったことが明らかとなった。

・誰かの役に立っていると感じることで痛みが軽減
今回の研究から、脳がどれくらい痛みを感じるかは、他人に施した善行にその人がどういう意味を感じているかも大きな要素になることがわかった。より他人の役に立っているとその人が信じるほど、痛みを感じにくいという。
これは、利他的な行いがその人に役割意識を与えることと関係があるのかもしれない。
自発的な利他的行為が、ある種の役割喪失感(例えば子育て卒業や、有能な社員といった役目を失ったときなど)から起こる、ストレスやうつ病、目的意識の欠如感を軽減させるのに役立つのかどうか、研究者たちはとくに関心をもっている。
他にも、利他的行為によって脳のドーパミンが放出され、行為者が"温かなぬくもり"を感じて気持ちが高揚する「ヘルパーズ・ハイ」というべつの要因もあるかもしれない。「ヘルパーズハイ」とは、人を助けたり、親切にすることで幸せを感じる状態のことだ。
痛みの軽減とこの心地よい気分を促す化学物質が合わさり、わたしたちは見返りを求めずに人を助けるという行為で自分に報いているともいえる。
なぜ、利他的行為が実質的な肉体の痛みの癒しになるのか、明確な答えを見つけるにはさらに研究が必要となるだろう。